はじめに
「FIRE」が話題となり、不労所得として配当が注目されたことで、老後の支えとして、またはインフレ対策として、配当株投資が気になっている方もいらっしゃると思います。今回は配当株投資の魅力や、利回りの高いポートフォリオ(資産構成)を組むことができるようなヒントについてもお伝えしたいと思います。
配当株投資の魅力
配当株投資は、株を保有するだけで配当金を得られるというのが魅力です。配当を目的に銘柄を選ぶので、高利回り銘柄や安定配当銘柄、配当を増やし続けているような増配銘柄などが候補になると考えます。
日本の企業は一般的に堅実な経営を重視しており、業績が良好な場合には配当を増やす傾向があります。これは、株主への利益還元の形として、配当が優先されるからです。また、日本企業の配当利回りは、安定した企業経営と良好な業績の証ともいえます。
そのため高配当利回りの銘柄や、安定した配当を出せる銘柄への投資は、長期的な資産形成における安定した収入源となり得るといえるでしょう。
2023年に入り、投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェット氏が、日本の5大商社株を購入し、保有比率を増やしていることが報じられています。このニュースが日本株の上昇の一つの要因となっています。
5大商事の一つである三菱商事(8058)は、8期連続増配の予定となっております。同社の2024年3月期の予想配当は、9月の中間配当が100円で、3月の期末配当も100円、年間合計配当額が1株あたり200円、つまり1単元である100株保有すると2万円の配当がもらえることとなります。なお、同社の株価は6月23日(金)の終値で7,001円なので、1単元の保有には約70万の投資資金が必要となります。
高配当利回りは米国株のほうが多い?
高配当利回りの銘柄を求めていくと、日本株だけでは満足できない場合もあります。企業の利益を株主に還元するという観点からすると、日本株に比べて米国株の方が、高配当を期待できるからです。
日本株は年2回の配当ですが、米国株は年4回の配当があり、回数が多いほか、総じて利回りも高くなっています。また米国株は1株から買えるので、少額から配当株投資を始める際にやりやすいとも言えます。
米国の企業は投資家に対する配当還元を重視し、しっかりとした配当政策を持つ企業が多いため配当も高くなっており、連続増配を続けている企業も多くなっています。25年以上増配を続ける配当貴族や、50年以上増配を続ける配当王銘柄もあります。加えて米国は、株式市場が非常に発展しており、多様な企業が存在しているので、投資家は自身の投資戦略に合った配当株を見つけやすいのが特徴です。
しかし、米国株の配当株への投資もリスクは無いわけではありません。例えば今年、2023年で見ると米国株と日本株ではパフォーマンスは日本株の方が全体として良いと言えます。また、米国株投資には為替リスクも伴います。米ドルで配当が支払われるため、為替の変動によって利益が減少する可能性もあります。
米国株でも配当株投資を検討するのであれば、米国株と日本株の銘柄をバランス良く組み合わせることが、リスク分散と安定的な収益を得るための鍵となりそうです。