はじめに

保険金、受け取り方の違い

保険を掛けていると、保険金を受け取るときがやってきます。その受け取り方は、保険の種類によって違い、税金のかかり方も全く違います。

(1)医療保険など

受け取る頻度が高い介護医療保険は、手術や入院をしたときなどに給付がされます。この保険金は、所得(もうけ)として申告などする必要はありませんが、所得税の確定申告で医療費控除を受ける方のみ、影響があります。

医療費の補填として給付されるものですので、その給付に該当する医療費を支払った金額から差し引かれることになります。このとき、他の病気やケガの治療からは引く必要がありません。

(2)個人年金保険

将来受け取る年金として積み立てをしておいて、一定の年齢になると受け取るタイプの保険金については、商品によって、一時所得と雑所得に区分されます。

積み立てておいたものを、複数年に分割して受け取るタイプは、雑所得に該当します。計算は受け取る額から自分の掛金部分を差し引いて、増えた部分を雑所得として申告しなければなりません。

この場合、給与がある方は20万円以下、給与が無い方は48万円以下なら所得税申告の必要はなく住民税のみ金額にかかわらず自治体に確認して申告が必要になります。

また、一括で受け取る場合は一時所得として計算します。こちらも、受け取る額から自分が掛けた総額を差し引いた金額、つまり増えた部分の金額から、まず50万円を引き、それを2分の1して税率をかけ税金が計算されます。

将来受け取る年金額が高くなる見込みがある方は、年金受給者になっても確実に所得税の納付が必要になるので、受け取り方を選択できる場合は一括で受け取る部分があった方が、一時所得の50万円控除を使った上で2分の1に所得を減らすことができるのでお得になります。

逆に、将来受け取る年金の金額が多くない場合、例えば65歳以降で受け取る分が110万円に到達しない方は、年金控除額110万円を引くと年金所得が0円になるので、年間で基礎控除48万円の範囲内なら所得税額が0円になります。

年金所得の計算について、詳しくは前回の記事をご覧ください。

なお一時払養老保険で、保険期間が5年以内など一定の要件を満たすものは、事前に20%ちょっとの所得税が引かれています。「源泉分離課税」と言って、他の所得とは分けて税金が計算され、事前に税金を引いてから給付されますので、申告などの手続きは不要です。

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