はじめに

(3)掛け金を支払った人と受け取る人が異なる場合

自分のかけた保険を自分で受け取る場合は、(1)と(2)のように一時所得や雑所得で所得税が課税されることになりますが、他の人が受け取る場合は贈与税の対象になります。

贈与税は年間110万円までは非課税ですが、それを超えると贈与税がかかります。110万円を超えた部分については、次の税率表に当てはめます。

画像:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」より引用

死亡保険の相続税節税効果

死亡保険は、相続税の節税対策として知られています。掛け金を支払う際には、一般の生命保険料控除として所得控除を受けることができるだけでなく、死亡時に死亡保険を遺族(相続人)が受け取った時に相続性が非課税となる点が大きなメリットです。

具体的には、死亡保険金の受け取り金額について、相続人(法律で決められた人)ひとり当たり500万円までは相続税がかかりません。この場合の相続人というのは、「法定相続人」とよばれる方に限定されます。例えば、子どもが2人と配偶者がいる場合、法定相続人は3人です。

もし一家の大黒柱が亡くなって、死亡後に銀行口座から預金が引き出せない場合でも、死亡保険があれば遺族はスムーズに現金を受け取ることができ、葬儀費用や亡くなった方のローン費用、残された方々のとりあえずの生活費などに充てたりもできます。

相続の手続きの際に、遺産の分け方が決まらなければ銀行預金を解約して引き出すことができません。保険金のように、とりあえずのお金を手に入れられるというのは、遺族にとってありがたいことですね。


受け取る時のことは考えずに保険の契約をしている方も多いと思います。しかし、受け取り時の税金の取り扱いが全く違うということを理解すると、どのような所得で受け取るのかを見据えて保険を見直すことも、節税に有効というのがお分かりいただけるかと思います。見直した結果、掛け金の節税効果がなくなったり、受け取り時の税金が増えたりしてしまい、「なんて……嘆かわしい!」とならないよう、参考にしてくださいね。

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