はじめに

資産運用よりも節約の方が確実に貯蓄を増やせる

定年後において、貯蓄を増やすというのは、「倹約する」ということなのです。例をあげてみましょう。

Aさんと、Bさん、65歳の年金暮らしをする同じような家庭が2つあります。Aさんの老後資金は1000万円あり、積極運用して年平均5%の運用に成功しました。Aさんの年金受給額は年300万円、家計の支出は現役時代と同じ年間500万円です。Bさんも同じく、老後資金は1000万円あり、安全運用で年平均1%の運用が成功しました。Bさんの年金受給額は年300万円、家計の支出は、節約して300万円です。

70歳の時点で、AさんとBさんの家計事情はどうなるかというと、Aさんの家計は70歳の時点で、老後資金を全部取り崩してしまい、1000万円以上の赤字になってしまいます。一方、Bさんの家計は、毎月の収支のバランスがあっているので、順調に貯蓄を増やすことができて、70歳時点で約50万円のお金を増額することに成功しています。

資産運用も大切なのですが、それよりも家計の節約がいかに大切なのかがわかると思います。運用をして増やせるのは、うまくいって平均5%ぐらいではないでしょうか。ところが、家計の節約はやる気になれば、20%、30%を削ることが可能なのです。しかも、固定費の削減に成功すると、その効果はずっと続きます。

将来の年金額にあわせて収支のバランスを取る

あたりまえの話ですが、収入より支出が多いと家計はつねに赤字です。その分は貯蓄で補います。ですから現役時代と同じような支出を続けていれば、すぐに老後資金はなくなってしまいます。将来の年金受給額にあわせた生活をする必要があるのです。それが、60~65歳、定年後の再雇用の期間なのです。この期間に年金受給額の生活に移行していく必要があるわけです。

現役時代に高所得だった人ほど、この移行が難しくなります。支出から「見栄」とか「エゴ」を引いた金額に変えていく必要があるのです。そして、収入と支出のバランスを取ることができれば、老後生活は安泰に過ごせるのです。

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