はじめに

新型コロナウイルスも落ち着きを取り戻し、2023年5月からは「5類感染症」に分類されるようになりました。国内旅行も自由になり、観光地は以前の賑わいを取り戻しつつあります。

さて、夏が近づいてきました。新型コロナウィルスが5類に移行して、行動制限のない初めての夏休みです。海外旅行を計画している人も多いのではありませんか。そこで、気になるのが「旅行保険」です。

クレジットカードに付帯している旅行保険だけでもいいような気がするのですが、やはり旅行保険にも入った方がいいのでしょうか?という質問が来るようになりました。今回は、旅行保険について解説してみましょう。


クレジットカード付帯の旅行保険の注意点

クレジットカードの多くは、旅行保険を付帯しています。それならわざわざ、別に旅行保険に入る必要はないのでは?と思ってしまいますね。しかし、海外旅行で大きなトラブルに遭ったときに、クレジットカード付帯の補償だけでは足りない場合もあります。そこでまず、クレジットカードに付帯している旅行保険の適用条件や補償範囲を解説してみましょう。

自動付帯か利用付帯の違いとは

クレジットカードによって補償適用の条件が異なります。保険の適用条件には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類に分かれます。「自動付帯」は、持っているだけで保険が適用されます。

「利用付帯」は、飛行機のチケット代やツアー代金などの旅費を対象のクレジットカードで支払うと適用されます。利用付帯は、持っているだけでは補償はありません。また、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、所持している本人しか適用がされません。家族カードの場合は、本人と同等の保障がある場合が多いです。クレジットカードによっては、家族付帯の特約がある場合もありますので、家族の補償範囲や補償内容の確認が必要です。

アメリカでは救急車を呼ぶだけでも高額なお金を請求される

クレジットカード付帯の旅行保険では、治療費上限が200万円に設定されていることが多いです。しかし、これでは足りません。日本国内は皆保険制度があり、医療費の負担は少なくてすみますが、海外では、医療制度が異なり、驚くほど医療費がかかってしまうことがあるのです。具体的にどのくらいの費用がかかるのでしょうか?「在ニューヨーク日本国総領事館」のホームページを参考にします。

一般の初診料:約150~300米ドル
専門医の初診料:約200~500米ドル
入院室料:2000~3000米ドル
虫垂炎入院・手術(1日入院):約1万米ドル以上
歯科手術:約1000米ドル/歯1本

ちなみに、アメリカで救急車を呼ぶのにはお金がかかります。値段は、アメリカのどこに住んでいるかで値段は大きく変わります。たとえば、ニューヨークで救急車を呼ぶと300ドルほど請求され、搬入先を指定することができません。旅先での医療費が数百万~数千万円かかると、クレジットカード付帯の旅行保険の上限を超えてしまいます。

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