はじめに

老後に受けとる年金には税金や社会保険料がかかります。また、年金以外の収入があれば、税金や社会保険料がかかるケースもあります。老後の収入のどんなものに税金や社会保険料がかかるのか、また、収入が増えることによる影響について解説していきます。


老後の収入、税金や社会保険料が引かれて手取りは約85.5%になる

老後の公的年金は原則65歳から受けとることになります。まずは、公的年金にかかる税金と社会保険料について知っておきましょう。

以下の図は「65歳以上の夫婦のみの無職世帯のひと月の家計収支」です。実収入246,237円に対して非消費支出は31,812 円です。非消費支出は税金や社会保険料なので、収入金額に対しての手取り額は約87%になることがわかります。また、実収入の90%ほどが社会保険料給付、つまり公的年金です。50歳以上であれば、年に1回送られてくる「ねんきん定期便」を見て、見込額の約87%を算出すれば手取り額の目安をつけられます。

老後の年金収入にかかる税金や社会保険料の中身は?

年金収入にかかる税金には所得税や住民税があります。所得税は、雑所得の公的年金等に区分され、雑所得以外の所得を含めた合計所得金額に応じて税率が決まります。また、住民税は前年の所得金額に応じて課税される「所得割」と、所得金額に関わらず定額で課税される「均等割」があります。夫婦の場合、所得税・住民税は個々の所得に応じて算出します。

いっぽう、年金収入にかかる社会保険料には健康保険料と介護保険料があります。健康保険料は加入する健康保険によって算出方法が異なります。リタイア後から75歳になるまでは、退職時の健康保険の任意継続、家族の健康保険の被扶養者になる、国民健康保険に加入するなどの3択から自分にベターな加入先を選択することになります。リタイア後の健康保険についてはリタイアする前から保険料の試算などを行い検討しておくことをオススメします。また、介護保険料の算出は自治体によって異なり、65歳以上は世帯や所得に応じて15段階ほどに分かれます。

なお、持ち家であれば固定資産税や都市計画税、マイカーを所有していれば自動車税もかかってきます。

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