はじめに
期待されないなかで迎えた第3四半期決算
ところが、第3四半期決算が発表された翌営業日、株価はなんとストップ高! 全市場値上がり率ランキング堂々3位となりました。
いったいどんな決算内容だったのか、確認しましょう。
画像:良品計画「2023年8月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用
①営業収益435,797百万円、②前年比+17.5%、③営業利益22,672(百万円)、④前年比−8.7%と、引き続き減益着地ではありますが、減益率は第2四半期の−46%から大きく縮小しています。直近3ヵ月(3-5月)の営業利益は12,495(百万円)で、前3ヵ月(11-2月)の5,156(百万円)に対して142.3%と急激に伸びています。
決算説明資料に目を通すと、国内事業、海外事業ともに好調だったとあります。とくにここまで不調の悪玉だった国内事業で、価格転嫁による粗利率の改善が見られること、さらに心配されていた中国大陸での業績が大幅回復していることが利益に寄与したようです。この結果をうけての翌営業日ストップ高。
ちなみに、同じ回でアパレルの勝ち組代表として取り上げたアダストリア(2685)は、その後も引き続き堅調で、直近6月30日(金)に発表された2024年2月期第1四半期決算は、①売上高68,478百万円、②前年比+18.1%、③営業利益6,278(百万円)、④前年比+37.2%と文句なしの好決算。四半期単位では、過去最高売上、最高営業利益になります。
画像:アダストリア「2024年2月期 第1四半期決算短信」より引用
しかし株価の反応はいまいちで、翌営業日こそ2.1%プラスでしたが、その後は3日間連続下落と冴えんません。
この両社の反応の違いは、非常におもしろいサンプルになります。
画像:TradingViewより
まったく期待されていなかったところで急激な改善を見せた無印良品はストップ高で、過去最高益を出しても「それがなにか?」的に無反応なアダストリア。単純にこれまでの業績の推移をみると、まちがいなくアダストリアはアパレル界の勝ち組ですが、今回の決算だけをみると、株式市場においては勝ち組とは言えません。
もちろん、これは短期的な株価の反応であり、長期的に見れば、株価は業績とほぼきれいに連動します。アダストリアの業績が引き続き堅調であれば、株価は持ち直し、逆に良品計画がふたたび減益幅を広げれば、株価は下落に転じることでしょう。
今後、2社がどういった展開を見せるか楽しみです。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。