はじめに

2024年から始まる新NISA制度。現行NISAよりも大幅に拡充され、今後の資産形成をする上ではぜひ利用したい制度です。とはいえ、ライフスタイルや年代により、活用方法は違ってくるはず。そこで、今回は30歳独身男性、年収500万円の方の新NISA活用方法についてお話します。


新NISA制度のおさらい

まずは、新NISA制度について、確認しておきましょう。新しいNISA(以下「新NISA」)は、現行の一般NISAとつみたてNISAを合わせたような制度になっています。

以下、ポイントを見ていきましょう。

●投資可能期間の恒久化
現行NISAには投資ができる期間が定められていますが、新NISAは、制度が恒久化となりました。ですから、2024年以降はいつでも好きなタイミングで投資をすることができます。

●非課税期間無制限
現行NISAでは、つみたてNISAは、非課税期間20年間、一般NISAは、5年間となっています。現行NISAでの新規の買い付けは2023年12月末までなので、仮に今年つみたてNISAを始めると2042年末まで、一般NISAなら2027年末まで非課税で運用できます。一方、新NISAは、非課税で運用できる期間が無期限になっています。

●年間投資枠の拡大・つみたて投資枠と成長投資枠の併用可能
新NISAのつみたて投資枠は現行のつみたてNISAの3倍となる120万円、成長投資枠は現行の一般NISAの2倍となる240万円に増えます。しかも、現行NISAでは、つみたてNISAと一般NISAの併用はできませんが、新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠は併用できますので、年間投資枠は最大で360万円になります。

●生涯投資上限1,800万円
新NISAでは、生涯にわたる非課税限度額(生涯投資枠)が新設されます。生涯投資枠の上限は1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円まで)です。生涯投資枠は、つみたて投資枠だけで1,800万円使い切ることができます。
なお、これまでのNISAの資産の非課税投資枠は、新NISAの非課税投資枠とは別枠です。

●売却枠は再利用できる
現行NISAの非課税投資枠は「使い切り」で、商品を売っても再利用ができなかったのに対し、新NISAでは、非課税投資枠の管理が「投資元本ベース」となったため、商品を売って生涯投資枠に空きが出た場合、その空き(売却枠)を再利用して、翌年以降に非課税の投資ができます(ただし、1年間に投資できるのは、年間の投資枠上限まで)。

●一部の商品は投資対象外に
新NISAのつみたて投資枠では、現行のつみたてNISAと同じく、金融庁の定めた基準を満たす投資信託・ETF(上場投資信託)に投資できます。長期間の投資で資産が増やせると見込まれる商品が揃っています。

成長投資枠も基本は現行の一般NISAと同じで、上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)・投資信託に投資できます。ただし、投資信託では、「高レバレッジ型」「毎月分配型」「信託期間20年未満」等、長期の資産形成に適しない商品は除外されます。

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