はじめに
ライフスタイルで変わる入るべき保険
自動車保険、火災保険に代表される損害保険は、対象になる自動車や建物に対しての保険ですから、車種、家の構造、購入した金額などによって概ね保険料は決まってきます。
対して、医療保険、死亡保険、個人年金保険、就業不能保険などの生命保険は、自分の生活にアクシデントが起こった時のリスクを保障するための保険です。家族構成、世帯年収、加入している公的保険制度、暮らし方や考え方によって、加入するべき保険が違ってきますので、ひとくくりに保険プランを設計するわけにはいきません。
一例ですが、相談事例を紹介します。
未婚 アパート独り暮らし 医療保険、死亡保障の終身保険のアドバイス
●医療保険
・公的保障として、高額療養費制度があり年収310万円では、ひと月の自己負担額上限は5万7600円。入院日数が短期化となっているが、入院したことで一時金5万円支払われる特約付帯で、入院日額は5,000円で十分。
・がんや三大疾病は治療が長く続き、罹患後今まで通りに働けなくなる可能性もあり、収入減の可能性もある。特定疾病に備える一時金は必要。三大疾病50万円、がん100万円。
・特定疾病に罹患し所定の要件に合致すれば、以降の払込が不要となる払込免除特約の付帯も有効。
・今後妊娠出産にまつわるリスクや女性特有の病気の可能性もあるので、女性疾病入院日額5,000円の上乗せも取入れると安心。
以上の保障内容で、終身保障・終身払の医療保険 約5,000円/月
●死亡保障の終身保険
・独身で、家族の家計を支える役目がなければ、基本的に遺族に残す死亡保障は不要。但し、万一の際の葬儀費用や整理費用、自動車ローンの精算費用など、家族に負担がないようにするためには、若干の死亡保障は必要。
200万円の死亡保障 終身保障・65歳払済の終身保険 約4,000円/月
●就業不能保険
・病気・ケガの他にも精神疾患で働けなくなることも考えられる。傷病手当金、障害年金など公的保障はあるが、収入減の上乗せとして、就業不能にも備えておきたい。
就業不能状態で毎月10万円支払う就業不能保険 65歳まで保障・支払 約3,000円/月
医療保険、死亡保障の終身保険、就業不能保険をあわせて、合計保険料は約12,000円/月となりました。65歳以降は約5,000円/月の医療保険のみとなります。先に述べた、年収の6.7%で考えると年収310万円の場合、年間払込保険料は20万8000円、月額にすると約1万7000円です。目安と比べても範囲内で治まる保険料になりました。
20代では、老後はまだ遠く、考えが及ばないかもしれませんが、保険は必要な保障のみに抑え、余力は老後への貯えに回すといいでしょう。