はじめに
保険貧乏にならないために
保険も入りすぎているとなかなか貯金ができない「保険貧乏」という状態になりがちです。「もしも亡くなったら、残された遺族の生活が不安」「病気になって、入院・手術したら痛いし怖いし、お金がかかりそうで怖い」など、恐怖や不安を感じると、保険に過剰に加入してしまうことがあります。
「病気になりたくない」→「何か対策しないと」→「そうだ!保険に入ろう」
という風に、対策を講じたいという思いから医療保険を選びがちですが、保険に入れば病気にならないわけではありません。病気になった時も公的な保障や現金で対応できれば良いので、必ずしも民間の保険で備える必要はありません。保険は、「事故や事件、病気などになって、自分の力では対応できないようなリスクに備える」のが本分です。
日本では遺族年金制度や、高額療養費制度など、社会保障が充実しています。まずは、こういった公的な保険の内容をしっかりと把握しましょう。社会保険料など、すでに多くの保険料を払っていることを認識した上で、それでは賄えない金銭的リスクだけを保険で備えましょう。
また昔から保険に入り続けている場合、保障内容が古くなっている場合もあります。入院しても数日間は保障の対象外になっていたり、過度に長い期間の入院を前提にした医療保険の場合、保険料が高額になってしまいます。
死亡保障も、定期定額型(契約期間中に死んだら2,000万円など)よりも、収入保障保険(一定期間、給料のように毎月保険金が支払われる)の方が、保険料が安く効率的だったりします。古くから入院保険やがん保険に入っている方も、現在の医療に沿った内容になっているかを確認しましょう。
通信費は長期になればなるほど改善効果が増す
通信費も、スマートフォンのキャリア変更や家のインターネット回線などの見直しによって改善できる場合があります。例えば三大キャリアを利用していて、毎月8,000円の費用がかかっていた場合、格安SIMや格安携帯に変えることで、3,000円ほどにコストを圧縮できる可能性があります。
月々5,000円の改善は、年間で60,000円の改善になります。この改善は、携帯電話を使い続ける限り続くので、10年、20年、30年と積み重なれば、100万円以上も改善することになります。
また、家のインターネット回線は、マネーフォワード光がお得です。マンションだったら月々3850円と業界でも最安水準な上に、マネーフォワードMEのプレミアムサービスが無料で使えるようになる。通常プレミアムサービスは年払いでも5,300円かかるので、その分も浮くとなると有力な選択肢になると思います。
その他に、サブスクリプションサービスに加入している場合、本当に使っているかどうかを確認した方がよいでしょう。1年に1度引き落としがくるタイプもあるので、知らぬ間に使っていないサービスを継続することなどが無いよう、定期的に1年間の支出も確認するのがおすすめです。。
NHKの年払い、固定資産税、賃貸の更新料、お年玉、カードの契約、Windowsなどのソフトの更新、ふるさと納税など払うことが予測できるものは洗い出して事前の準備をしていると安心感が増します。
金前さんはどの程度支出を減らせる?
例えば、金前家の場合は、住宅ローンの見直しで月に3,000円、スマートフォン代が夫婦で10,000円、保険料が10,000円支出が減ったとすると、月に23,000円=年間で276,000円も支出が改善することになります。この改善によって失うものはないので、無理なく改善を継続できるし、貯金を増やすこともできます。
無理なく節約した上で、浮いたお金を投資にまわせば、長期投資が継続しやすくなるというわけです。
最後にポイントをまとめると、まずは家計簿をつけて、固定費の支出を整理していきましょう。その上で、住宅費、保険料、通信費という三大固定費を中心に支出を改善できないかを確認します。 その他のサブスクリプションサービスも本当に継続利用が必要かを見直して見ると良いでしょう。無理に節約するのではなく、一度見直しをしたら改善が継続する「固定費」を徹底的に改善できると、長期投資の原資を長期で拠出しやすくなります。
次回はいよいよ投資をスタートできる?
FPよしおさん:コツコツと10年以上積立投資を成功させるには、固定費の見直しが肝になることはわかった?
金前:「固定費の改善を制するものが、投資を制する」はたしかにですね。住宅ローンも、保険も、通信費も見直してみようと思います!
FPよしおさん:それはよかった。次回は、いよいよ投資を開始するにあたって必要なアセットロケーションについて教えるね。
金前:はい、楽しみにしています!
・家計簿をつけて、固定費の支出を整理
・住宅費、保険料、通信費の三大固定費を中心に支出を改善できないかを確認
・サブスクリプションサービスは本当に継続利用が必要かを見直す