はじめに

同業他社の比較ポイント

粉もん企業が好調なことは分かりました、3社とも投資対象として魅力的です。できればまるっと全社の株を買いたいですが、予算的にも、リスク分散の上でもあまり賢い投資法ではありません。どれか1社を選ぶとしたら、どういう基準で選べばいいのでしょう?

個別株投資をしていると、こういった悩みはよく出会います。わたしの場合は、下記5ポイントをチェックして総合判断します。

(1)時価総額
3社の時価総額は、日清製粉グループ本社が5,492億円、ニップンが1,586億円、昭和産業が991億円。日清製粉がダントツの大きさですし、知名度も高く安心感があります。ただし値上がり益を狙うときは、時価総額が1,000億円以下くらいのほうが、値動きが軽く利益が取りやすい場合が多いです。

(2)業績の伸び率
とくに営業利益の伸び率が、デコボコしておらず、年々高くなっている企業がベター。

(3)営業利益率
営業利益率が高いのはもちろんよいですが、年々改善傾向にあるかどうかも重要です。

(4)PER(株価収益率)
業績がよくても株価がすでに割高だと株価上昇が見込みにくいので、現在のPERで割安さをはかります。

(5)株価チャート
業績がよくても、株価チャートが下降トレンドだと投資を控えます。上昇トレンドか、横ばいからぴょこっと株価が上昇し始めたものがベスト。

以上、5つの点で粉もん企業を総合判断すると、わたしとしてはニップンが魅力的に見えます。2024年3月期の営業利益の伸び率は、前年比1.7%と控えめですが、第一四半期決算の進捗率から上昇修正の期待ができます。PERは現在の株価2,017円で計算した場合14.6倍で、日清製粉グループ本社20.7倍、昭和産業17.7倍と比べて割安感があります。株価の位置が同じで、一株益予想が上方修正されれば、さらにPERは切り下がりますので魅力が増します。

画像:TradingViewより

2023年に入ってからの株価騰落率の推移を比較すると、3社とも上昇しておりますが、1位はニッパンです。やはり投資家の目の付け所は同じですね。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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