はじめに

保険の見直しで保障が充実し、保険料の削減も期待できるパターン

現在加入している保険を見直すことで、保障を今の時代に即した内容にするとともに、保険料を下げられる可能性があるケースには、どのようなものがあるのでしょうか。

●死亡保険、医療保険、がん保険一体型の保険に加入している
死亡保険と医療保険、がん保険などが一体になっている保険に加入しているなら、死亡保険とそれ以外の保険を切り離すことで見直しがしやすくなります。

手続きは特約部分(医療保険やがん保険)を外すだけですし、特約部分の保険料を下げられます。もし、ほかにも医療保険やがん保険に単独で加入している場合、保障が重複しているため非常にもったいないです。

また、死亡保障が1,000万円などと高額なら、本当にその額が必要かを考えてみてください。最近では、死亡保障額はお葬式代程度と考えるケースが多く、300万円程度で十分な可能性もあります。高額に設定されている死亡保障額を下げることで、保険料も減額できます。

●医療保険に加入後相当の年数が経っている
15年~20年以上前に加入した医療保険の場合、5日以上もしくは10日以上の入院でなければ入院給付金が支払われないとしているものが多くみられます。また、死亡保険の特約として付加している医療保険では、10年以内に加入した保険でも商品によってはそのような制限がある可能性は否定できません。

現在の医療では入院期間が短く、その後は通院で治療を続けるといった流れに変わっておいます。入院も年齢や病気の種類によって異なりますが、厚生労働省「2020年患者調査の概況」によると、2020年の時点で約66%が0日~14日となっています。そしてこの頃から比べると、さらに入院日数が短くなっている傾向がみられます。そのような現状で免責期間が設けられていると、いくら入院日額を1万円や1万5千円など高く設定していたとしても、本来の入院日数よりも少ない、もしくは給付金が支払われない可能性があります。

もし、加入している保険に免責期間が設けられているなら、すぐに現状に即した保障内容に見直すことをおすすめします。

さらに、1つの入院における入院限度日数も昔は180日や360日などが主流でしたが、現在では60日もしくは120日が主流です。入院期間が短くなっている実態も考慮し、入院限度日数および入院日額を見直すことで、これまでの保険料よりも安くなる可能性があります。個室を希望しないなら、入院日額は5千円~1万円の範囲内で十分でしょう。

また、入院での治療から通院での治療に切り替わっている現状から、通院保障は付加しておきたい内容です。ただし、通院保障は入院もしくは手術を前提とした通院に限られる点に注意しておきましょう。最近では日帰りでできる手術も多く、数日後に経過観察として通院するケースがみられることからも、対象となる手術の内容とあわせて通院保障の付加を考えることがポイントです。あわせて余分な保障を減らすことで、最終的な保険料の値上がりを防ぐこともできます。

加入時期によってはお宝保険になるケースも

終身型の死亡保険に加入している場合、加入時期によっては予定利率が高く、解約する時期にもよりますが、解約返戻金が払い込んだ保険料よりも多くなる可能性があります。そのため終身型の死亡保険の解約返戻率を確認し、老後の資金として備えておく考え方もあります。

加入時期が古い終身型の死亡保険は、お宝保険として取っておきましょう。その際には特約部分(医療保障やがんの保障)などは外し、死亡保険だけの状態にしておくことも検討するといいでしょう。

加入してしばらく見直していない保険があるなら、ぜひ内容を確認してみてください。そのうえで保障内容が現状に即しているかを判断し、必要に応じて見直しを行いましょう。今後の医療の進歩によっては、不要な保障も出てくる可能性があります。その際には不要な保障を外すなど、都度見直していきましょう。

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