はじめに
利用頻度が高い決済方法との相性は?
ここ最近は、現金よりもキャッシュレスでの支払いが増えましたね。経済産業省が公表しているデータによると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%となっています。ポイントが貯まるメリットなどもあるため、現金よりもキャッシュレス決済による支払い割合が高い方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
家計簿アプリは、キャッシュレス決済との相性がいいんです。その理由として、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの金融サービスや、ショッピングサイトなどと連携させることができ、連携したサービスの入出金情報や決済情報が、自動で反映される機能が備わっているからです。
初めに連携をさせるための設定が必要となりますが、設定をすれば自動で情報が入ってくるため、自分で入力をする手間を大幅に減らすことができます。キャッシュレス決済の利用割合が高い人ほど、“家計簿をつける負担”の軽減効果が大きくなりそうですね。
複数のキャッシュレス決済を利用している場合、それぞれの利用明細を家計簿アプリで一元管理できる、というメリットもあります。利用明細を個々のサイトなどで見る必要がなく、家計簿アプリ上でまとめて確認できることで、支出の把握がしやすくなるでしょう。
また、万が一不正使用された場合、クレジットカードや他の決済方法の明細は、見ても月一程度という方が多いのに対して、頻繁に確認する家計簿アプリであれば、不正利用に早めに気がつくことができるでしょう。
このような理由から、キャッシュレス決済による支払い割合が高い方は、家計簿アプリを検討してみてはいかがでしょうか。
家計の改善効果に繋がる家計簿
家計簿をつけるからには、その効果を感じられることも大切なポイントですよね。家計簿はつけること自体が目的ではなく、振り返って家計の改善に活かしていくことが本来の目的だからです。振り返る際に見る集計記録についても、その負担感や見やすさが、家計簿によって異なります。
手書きの家計簿の場合、日々の記録に加えて集計作業を別途行う必要があるため、リアルタイムでの把握はしづらいという側面があります。
ただしノートや手帳などの紙媒体、エクセルで家計簿をつけていく場合、レシートなどを確認しながら記録をしていくため、購入内容を振り返る機会にもなり、ムダな支出に気がつきやすいというメリットがあります。支出の中身をここの商品まで細かく見直していきたい方は、自分で記録をしていく紙媒体やエクセルの家計簿が効果的でしょう。
家計簿アプリの場合、自動集計機能があるため、自身で集計作業をする必要はなく、画面を切り替えるだけで、いつでも集計を確認することができます。手入力、自動反映と同時に集計にも反映されるため、チェックしたいタイミングで経過を見ていくことができます。経過に応じて支出のペースや内容を意識することで、臨機応変な対応も取りやすくなり、使い過ぎを防ぐなど、家計の改善効果が期待できます。
家計簿アプリの種類と利用形態にもよりますが、月単位、年単位の比較もアプリ上で簡単に行うことができます。検証のしやすさが改善点の発見に繋がり、具体的に何をどう変えようという未来の行動にも変化が出てきますね。
家計簿アプリの自動連携や自動集計機能の手軽さ、支出の全体像を把握しやすいことはメリットでもありますが、自動で明細が入ってくることでレシートごとの購入内容をチェックする機会が減ることから、買い物ごとの支出のムダの気づきや実感は得にくいかもしれません。
選ぶツールによって一長一短ありますが、「予算を立て、実際に支出したものを集計し、振り返る」という3ステップの作業がしやすいことが選ぶポイントです。
家計簿を続けていくためには、家計簿をつける手間を減らし、ライフスタイルに合ったツールを選ぶことが大切なのは前述した通りです。
家計簿が習慣化されることで、自分の家計がどのくらいのサイズなのかが分かり、予算と振り返りをすることで改善点が見えてきます。「支出を減らしたい」「貯蓄を増やしたい」など、その目的にもよりますが、家計簿をつけることで家計の改善効果につながることは間違いありません。
家計簿のつけ方や自分に合ったツールがよく分からないという方は、ファイナンシャルプランナーなど、専門家に相談するのもいいでしょう。家計管理は一生つづくものですので、手間なく継続していける方法を考えましょう。
【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)