はじめに
全国的に人口減少が取りざたされているなか、東京都は都心部を中心として人口が増えています。また、東京都の40代で結婚している人は男女とも6割を超えています(「2020年国勢調査人口等基本集計結果概要」より)。
子どもが生まれ、保育園や幼稚園、学校に通うようになれば、親同士のお付き合いも必要になるでしょう。なにかにつけ平均値を意識するシーンが増えるのではないでしょうか。
今回は、40代夫婦の平均年収や貯蓄額、生活費から、平均的な暮らしを考えてみたいと思います。
東京都40代夫婦、世帯年収の平均は約704万円
日本では、1990年なかばから共働き世帯が専業主婦世帯を上回りはじめ、今では共働き世帯は当たり前のようになっています。それは、子どもがいても同様です。2020年国勢調査によれば、子どもを持つ女性の半数以上は仕事を持っています。
末子、つまり最年少の子どもが3歳未満の場合には、女性の就業率は全国平均よりも東京のほうが高くなっています。保育園が充実しているからなのか、職場の環境が整っているからなのか、事情は個々に異なるでしょうが、いずれにしても東京のほうが働く女性は多くなっています。
子どもが中学生、高校生の年齢層(13~17歳)では、働く女性はさらに増えますが、この場合には全国平均が東京を上回ります。進学にお金がかかる心配が大きいからかもしれません。東京の女性の就業率は、全国平均ほどには子どもの年齢に影響をうけないと言えるでしょう。
とはいえ、世帯年収は単純な2人分とはいかないようです。都内で暮らす、世帯主が40代の世帯収入のうち、1カ月あたりの勤め先からの収入は、世帯主が約45万7000円、配偶者は約8万9000円、その他が4万1000円で、合計58万7000円(総務省「2019年全国家計構造調査」より)。世帯年収にすると、約704万4000円です。
妻の年収の平均額が106万8000円ということは、所得税がかかる106万円の壁を意識している世帯が多いのではないかと考えられます。
106万円の壁を超えて所得税を払ったり、130万円の壁を超えて社会保険に加入することで保険料を差し引かれたりすると、額面収入は増えても、手取り額が減少することがあります。妻自身が社会保険に加入することは、将来受け取れる年金額が増えることにもつながり、決してデメリットだけではないのですが、やはり日々の家計を考えると、意識せざるを得ないのでしょう。
その他収入には、夫婦の収入以外のものが含まれています。たとえば、保有している不動産からの家賃収入、副業収入のほか、社会保障給付も含まれます。社会保障給付には、児童手当や出産手当金、病気やケガをしたときの傷病手当などがあてはまります。もれなく受け取れるよう、情報収集はしっかりをしておきたいですね。