はじめに
株価が下落した時は、安値で買い付けるタイミングともとらえられますが、投資すべき銘柄かどうか判断するにはどうすればいいのでしょうか?
そこで、X(旧Twitter)フォロワー数14万人で元サラリーマン投資家の長期株式投資(@budoukamail)氏の著書『半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資 日経平均リターンを3.86%上回“割安買い”の極意』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して暴落時に投資を検討したい銘柄について解説します。
サカタのタネ~控えめながらも上昇を続けるROE~
サカタのタネは、売上、利益ともに堅調で、高い利益率を誇っています。1株利益も上昇傾向にあり、配当も着実に増配しています。
自己資本比率は80%以上を保っていて、財務基盤は鉄壁。自己資本比率の高さ故にROE(自己資本利益率)はやや控えめな水準ですが、それでも上昇傾向にあります。
営業活動によるキャッシュ・フローはプラスで推移し、手元キャッシュも十分に確保されており、事業継続に何の不安もありません。
サカタのタネは、株主優待も実施しています。株主優待を楽しみつつ、水産・農林業の銘柄としてセクター分散を図るという目的等で投資を検討するのも悪くはないという認識です。
アサヒグループホールディングス~業種の中では高い利益~
アサヒグループホールディングスは、利益率はコロナ禍に落ち込んだものの、特殊要因を除けば10%弱で推移し、食料品という業種においては、相対的に高い水準となっています。
1株利益は安定的に推移し、配当は増加傾向です。
自己資本比率はやや低い水準にありますが、事業継続に悪影響を与えるほどではなく、現時点では気にする必要はないでしょう。
ROEは、財務レバレッジをきかせているため(自己資本比率が低、他人資本を多く活用)、食品セクターとしては高い水準にあります。
営業活動によるキャッシュ・フローは安定しており、事業継続に問題はありませんが、手元キャッシュは500億円ほどで会社規模の割にはやや少ないという印象を受けます。
株主優待を実施していますので、配当利回りに納得して投資できれば、株主優待を楽しみながら長く保有できる銘柄の一つだと考えます。
キッコーマン~投資チャンスをじっくり待とう~
キッコーマンは、利益率は安定しつつも上昇傾向。また、1株利益、配当額も上昇傾向にあり、事業は堅調に推移しているといえます。
自己資本比率は70%前後を推移し、財務基盤は堅牢で、ROEは高い水準を維持しています。
キッコーマンのように、高い自己資本比率を維持しつつ、高いROEも叩き出している企業は、借入金に頼らない儲かるビジネスを展開しており、企業としては申し分ない経営をおこなっていると考えられます。
当然、株価も指標的には割高な水準にあることがほとんどですが、相場全体が崩れた時には、このような銘柄にも投資チャンスが巡ってくることもあります。じっくりとチャンスを待ちたいところです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスで推移し、手元キャッシュも潤沢です。事業の継続性に何の不安もありません。
キッコーマンは株主優待を実施しています。一度保有すれば、株主優待を楽しみながら長期保有することができる銘柄の一つです。