はじめに
株主優待で家族からの評価が上がる?
三井:株主優待は法人名義だともらえず、あくまで個人投資家のみが受け取れる制度です。個人投資家に対して、「株主になって、会社を応援してもらいたい」という発想で導入する企業が多いでしょう。
有野:トヨタ自動車の株を持ってたら、クルマがもらえたりしないんですか?
三井:さすがに、自動車はもらえないですね(笑) それに、残念ながらトヨタ自動車は株主優待制度を導入していません。
有野:「ケチ!」って思ってしまった。さすがトヨタ、グローバルですね。株主優待やってたら、海外の株主に指摘されるやつや(笑)
三井:2023年9月末現在で、株主優待制度を導入している企業は1,400社以上。上場企業の数がだいたい4,000社程度なので、3社に1社以上が優待制度を導入しています。
有野:食肉加工のメーカーなら、株主優待でお歳暮でよくあるハムがもらえるっていうのはわかるんです。でも、モノじゃなくて、たとえばアプリを作っている会社とか、株主にあげられるようなものを扱っていない場合はどうなるんですか?
三井:おっしゃるように、小売や外食、食品会社などでは、自社製品を優待品として送る企業は多いですね。サービス業でも「自社サービス利用券」のような優待のほかに、お米券やQUOカードだったり、結婚式でもらうようなカタログギフトだったり、会社とは全く関係ないものを優待品として送るケースもあります。
有野:お米券か~。もらったら嬉しいけど、配当金と変わらへんなぁ(笑) でも、自分の会社に関係ないものでもいいんですね。
三井:その手の優待は、家計の足しにもなりますからね。確かに、外食や食品会社、飲料会社などの優待の人気が高い傾向はあります。優待の内容によっては、家庭内の有野さんの評価が上がるかもしれませんよ!
有野:え、家庭内の評価が上がる? どういうことですか?
三井:たとえば、オリエンタルランド。東京ディズニーランド・シーを運営する会社です。オリエンタルランドの株式を500株以上持っていると年間で1枚、2,000株以上だと2枚、「株主専用」のパスポートチケットがもらえるんです。そうなると、「お父さん、すごい!」となるかもしれません(笑)
有野:それはいい(笑) ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)もチケットがもらえたりします? USJを紹介する番組のナビゲーターをさせてもらってるし、やっぱりゲーム好きとしては、子どもたちを「スーパー・ニンテンドー・ワールド」に連れて行きたいんですよねぇ。
三井:USJの運営会社は、そもそもいまは上場していないので、株主優待もないですね。
有野:上場してないと、そもそも株を買えないから、株主優待もないか。でも、テーマパークで株主優待の株を探すって言うのもいいなぁ。あ、JALで株主優待割引とかもあるか! うわ〜、考え方が広がりました。
三井:ほかにも優待限定のグッズやフィギュアなど、お金では価値が図りづらいものもありますし、本当にさまざまな種類があるんですよ。「どんな株主優待があるかな」「これをもらえたら嬉しいな」など、株主優待を選んでいる時はワクワクすると思いますよ。
有野:前に藤川先生の授業でも、ウルトラマンをモチーフにした「記念優待」のことを教えてくれたもんな。1,400社もあったら、優待品を調べるだけで、ひと月以上かかっちゃいそう(笑)