はじめに

年収から考える住宅ローンの借入可能額

住宅ローン借入可能額を考える際の一般的な考え方として、「返済比率」があります。返済比率は「すべてのローンの年間返済額÷年収×100」という計算式によって求めることができます。一般的に、無理なく返済していくための返済比率は20~25%程度と言われています。

相談者様の場合、ご主人様が単独で住宅ローンを組むことを希望されています。ご主人様の税込年収は800万円のため、返済比率が20%となる年間返済額は160万円、月額13.3万円です。

例えばフラット35を利用し、以下の条件で毎月の返済額が13.3万円となるようローンを組む場合、概算で4,002万円が借入可能となります。

<シミュレーション条件>※住宅金融支援機構のサイトにてシミュレーション
・新機構団信つき
・金利2.02% ※2023年10月現在
・融資率9割超
・返済期間35年
・元利均等返済

ライフプランで全体像の把握が不可欠

年収から住宅ローンの借入可能額の目安を算出することはできますが、あくまで目安として捉えましょう。年収が同じであったとしても、支出や貯蓄状況などによって、住宅ローンの返済に充てられる金額は異なります。

また、子どもの教育プラン、車の購入など、ライフイベントとそれにかかる費用はご家庭により様々です。ご家族にとって、希望の住宅購入を叶えることだけが目的ではないはずです。子どもの教育にかけるお金、老後資金、余暇に使うお金など、他にも大事にしたいお考えがあるでしょう。

今後、家計の状況変化や、ライフイベントにかかる思わぬ支出が発生したとしても、住宅ローンの返済を中断するわけにはいきません。

住宅ローンの借入額を考える際には、現在から将来までの「収入」「支出」「資産」「負債」の全体像を把握した上で検討することが欠かせないのですが、多角的な視点から見る必要があるので、お客様ご自身では難しいケースもあるでしょう。そんな時は是非ファイナンシャル・プランナーを頼っていただければ嬉しいです。

今回のケースでも、上記の必要性について相談者様にお話し、ライフプランを作成した上で無理なく返済していける住宅ローン借入額の目安をお伝えしました。

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