はじめに

定年準備として本当に必要な心構えとは

立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏は、58歳のときに大手生命保険会社を退職してライフネット生命保険を開業しました。また筆者の知り合いも57歳で会社を退職し、ひとり起業で独立してビジネス書の作家になった人もいます。

50代半ばからでも、新しいことはいくらでもできるはずです。いまの会社に勤めるだけが働き方ではありません。もちろんスキルアップをすることで、会社で働くことが楽しくなるかも知れません。重要なのは「変化を恐れない」ことです。「自分に何ができるのか?」を今一度考える時期でもあります。

『働かないおじさんが御社をダメにする』(白河桃子著)という本のなかに面白い例があったので、引用してみます。

転職を希望してきたおじさんに、「『何ができますか?』と聞くと、ちょっと考えて『部長ならできます』というのです」というのがありました。悲しいかな日本型雇用の特徴でもあるジョブローテーションを繰り返してきたためで、自分の専門と言える仕事を身につけることができなかった結果でしょう。欧米のようなジョブ型雇用では、ありえない話です。

引用:『働かないおじさんが御社をダメにする』(白河桃子著)より

これは笑い話ですが、笑えない話でもあります。こんな答えしか見つけられない人にならないように、自分のキャリアの棚下ろしをしてみることは、とても重要です。いままでやってきた仕事でいちばん楽しかった仕事は何か、やりたい仕事は何かを考えてみてください。この棚卸しをすることで、これからの15年間の働き方・生き方が変わってきます。

50代半ばから定年までの期間に自分のやりたい仕事は何か。そしてそのためには何をすればいいのかを考えてみてください。これこそが定年準備の心構えなのです。

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