はじめに
見直しの保険設計を考える
更新時、保険の見直しをする場合の一例をあげてみましょう。
50歳(妻) 会社員(自動車販売営業)年収350万円 社会保険加入 子24歳、22歳
現在加入中の更新型保険の見直し
現在の保険の契約内容(夫)
積立型の終身保険がベースにある10年更新型の保険
保険料:1万5300円 55歳更新時:2万5800円 65歳更新時:4万3200円に上がっていく予定
●医療部分
入院日額1万円 入院一時金5万円 先進医療特約付 80歳以降更新できず
●積立部分
将来死亡保障にあてるための積立 月500円 70歳まで積立てて約30万円
●収入保障部分
介護500万・重度慢性疾患300万・特定疾病300万 所定の状態または死亡で支払われる
現在でも月額1万5300円の保険料は負担が大きいが、5年後の更新時には月額2万5800円になる予定。さらに保険料が上がり続けることと、80歳以降は更新できないことに不安を持っている。見直しをしたいが、2年前に精神的に不安定になり、心療内科で治療をした経緯があり、保険の見直しが厳しいと思っていた。精神疾患があっても条件に合致すれば加入できる保険があることを知り、見直しに踏み切った。
見直しの内容
50歳男性(夫)
●死亡保障付緩和型医療保険
入院日額5千円 三大疾病一時金50万円 ガン診断給付100万円 先進医療特約 死亡保険金100万円
終身払 終身保障 保険料1万5400円
50歳女性(妻)
●死亡保障付医療保険
入院日額5千円 三大疾病一時金50万円 ガン診断給付100万円 先進医療特約 特定疾病払込免除付 死亡保険金100万円
終身払 終身保障 保険料1万3000円
今まで死亡した場合の保険金は1100万円だったが、子ども2人が大学を卒業し、学資の心配はなくなったため、死亡保障を付帯できる一生涯保障の医療保険に見直し。
死亡保障は少なくしたが、今まで複数回支払いができるがんや三大疾病の保障はなかったため、その部分の保障を厚くした。妻は、体況に問題がなかったため、緩和型ではなく、一般の医療保険に加入。特定疾病保険料払込免除も付加した。
夫の見直し当初は、保険料1万5400円と現在より高くなってしまうが、今後保険料は一生涯変わらないことと、保障が一生涯続くことで、将来へ向けての医療費負担への不安が解消できました。
世帯年収に対する年間払込保険料の割合というデータがあり、世帯年収に対する払込保険料の比率は平均で6.7%。年収500万円の場合、年間払込保険料は33万5000円、月額にすると約2万7900円です。ご夫婦で同様の保険に加入すると、約2万8400円と少し高くなりますが、老後の負担が少なくなることと、三大疾病にも備えた一生涯の保障を持つことで、老後へ向けて生きていくためのリスクに備えることができました。
持病があるからといって安易にあきらめず、いろいろな保険商品を探してみましょう。若干割高ではありますが、見直すことにより、保障内容も今の医療制度に沿った内容になるでしょう。また、子どもが独立した後は、夫婦ふたりの生活を基盤に考え、死亡保障は極力抑え、生きていくための保障を充実していくことが大事です。