はじめに

新NISAは、日本の投資促進を目的とした税制優遇制度です。この制度は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの主要部分で構成されています。つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能です。非課税保有限度額は、全体で1,800万円となっており、そのうち成長投資枠は1,200万円までとなっています。また枠の再利用が可能であることも新NISAになって変更となった点です。

これを踏まえて「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のそれぞれの特徴と活用法について、2回にわたって詳しく説明します。今回は「つみたて投資枠」編です。それではいってみましょう!


新NISAの「つみたて投資枠」とは?

つみたて投資枠は長期的な資産形成を目的としています。投資対象は安定的な資産形成に有効と考えられる長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託が投資対象で、主に低リスクのインデックスファンドやETFなどが対象になります。

小額から始められるので、定期的な積立投資に適していること、長期間積み立てることで複利の効果を最大化できることがポイントでしょう。長期間積み立てることを考えるのであれば分散投資を心がけ、リスク管理に留意することをお勧めします。また市場の短期的な変動に惑わされないようにしましょう。

つみたて投資枠を活かすために覚えておきたいこと

つみたて投資枠の活用法ですが、投資対象が限定されているため、自分に合った商品を選ぶことが重要です。

バランスよく安定的な投資をしたい、米国の成長に賭けたいなど個人によって様々な思惑をお持ちだと思います。ただ基本的に長期の積立投資においては「コスト」と「分散投資」を考慮することが重要です。

まずコストの重要性ですが、投資にかかるコスト(管理費用、取引手数料など)は長期にわたると大きな影響を及ぼします。たとえ小さなコスト差でも、長期間にわたって複利効果が働くことで、最終的なリターンに顕著な差が生じます。そのためコスト効率の良い商品を選択した方が投資において有利になります。

次に分散投資の重要性ですが、分散投資は特定の銘柄や市場に依存するリスクを減らします。個別の銘柄が不振でも、他の銘柄のパフォーマンスによってバランスが取れる可能性が高まります。分散投資により特定の業界や国に限定されることなく、広い範囲の市場の成長から恩恵を受けることが可能になります。

特に長期投資の場合、時間が経つにつれてこれらの要素の影響は大きくなります。適切な投資商品の選択と分散投資によって、リスクを管理しつつ、コスト効率の良い方法で資産を増やすことをまず基本として考えましょう。そこからご自身の資産運用の狙いに合わせてポートフォリオを構築してはいかがでしょうか。

ここからは、皆様の投資の参考にして頂くべく、私見も交ぜながら戦略をご紹介します。

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