はじめに

一社強豪には懸念も…

ここまで他社を引き離すSBI証券の着実な成長には驚かされますが、一社強豪の現実には多少の懸念があります。企業には、つばぜり合いをするライバルの存在が必要不可欠だと思います。独走状態になると、どうしてもその先の成長が鈍化したり、いわゆる殿様商売になる可能性が高いからです。多くの個人投資家の為にも追随する証券会社が登場してくる事を願っています。

また、対面営業の良さもあると思います。人間である以上、会話は必須と感じます。証券会社の営業マンと会話をする事で新たな発見などもあるのではないでしょうか?

流行に踊らされすぎないように…

これまでも何度かお伝えしてきましたが、近年、日本では倹約の伝統が台頭して銀行などの金融機関で貯蓄をする人々が多く存在します。現在もその様な考えの方が多数いらっしゃいます。「お金を増やす」という考えそのものに抵抗がある年齢層の方も多く、約20年前から株のネット取引が可能になったものの、株式投資はなかなか浸透しにくい面があったように思います。ようやく、今年の6月、岸田総理が「資産所得倍増元年」「貯蓄から投資へ」のシフトを推し進めた事で一気に流れが変わった印象です。

まだ株式投資そのものにためらいを感じたり、どの程度を投資にまわすべきなのか、と疑問を感じエンジンがかからない方も多くいらっしゃるのではないかと思います。証券ディーラーを生業としていた私からすると、そんなに簡単に資産がプラスになるとは思えません。市場には海外投資家を始め、ベテランの方々が大勢存在しています。現在、日本市場において個人投資家は約18%に過ぎませんので、大きな波になる事はなかなか難しいです。約30年余り日本市場に携わっている私ですが、簡単にプラスは出せませんし、損切りは日常茶飯事です。でもそれが株式相場です。投資は自己判断です。政府が有利な制度を発表したから、流行だから、と安易に行うものではありません。失っても後悔のない金額で始めるくらいが丁度良いと思う次第です。

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