はじめに
医療保険の保障内容は、医療事情の変化に合わせて変わってきています。今の50代が若い頃に加入した医療保険は見直した方が良いのでしょうか?今回は、実際に筆者が医療保険を見直した体験をもとにお伝えしていきます。
ライフステージの変化が大きい50代は保険見直しのタイミング
生命保険文化センター 「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、民間の生命保険の世帯加入率は、「夫婦のみ(40~59歳)」および「末 子乳児」から「末子就学終了」は8割を超えている一方、「高齢夫婦無職(60歳以上)」では6割台となっています。このことから、ライフステージの変化に合わせて保険を見直す人が一定数いることが推察されます。
筆者は30代と40代で医療保険に加入しましたが、50代で見直しを行いました。30代で加入した医療保険は、終身保障タイプでした。入院給付金5,000円/日、手術給付金5~20万円といった極めてシンプル、かつ、保険料も2,865円と低価格でしたが、50代に入り解約しました。
理由は、この程度の保障額なら保険でなくても自分で賄えると考えたからです。幸いなことにいちども保険を利用する機会がなかったことも止める後押しとなったかもしれません。仮に50年間保険料を払い込むと総額170万円超えになりますから、払った額以上の保険金を受け取るのは現実的ではないと判断したわけです。
医療保険は10年定期の実費補償型のみ継続へ
いっぽう、40代で加入した医療保険は、今も継続しています。理由は、後ほどお話ししますが、こちらは10年定期の実費補償型です。
前掲の解約したものは一般的な医療保険で日額保障型といわれています。入院日数や手術の有無などに応じて、決められた一定額の保険金の給付を受けることができます。
それに比べて、継続を決めた実費補償型は、けがや病気で入院した時にかかる費用のうち、公的医療保険を利用した自己負担分や差額ベッド代、入退院時のタクシー代といった交通費など、文字通り実際にかかった費用を一定のルールの元で受け取れるものです。聞き慣れないかもしれませんが、おもに損害保険会社での取り扱いがあります。
加入したのは40歳で、10年経った50歳の時に更新を行ないました。保険料は年間31,590円(月当たり2,632円ほど)です。更新した理由は、お守り程度の保険料だったこと、そして、当時のパート先だった保険代理店で加入したのですが、お客様からの評判がすこぶるよかったことです。それ以外にも、実は、継続一択となった重要な理由もありましたのでお話ししたいと思います。
50代になると持病により医療保険に加入できない可能性がある
医療保険は持病があると加入できない可能性があります。持病とは、いわゆる慢性的に患っている病気のことをいいます。たとえば、高血圧や糖尿病、難病指定されている潰瘍性大腸炎、また、精神疾患が含まれることもあります。50代に入って年齢を重ねると持病を抱える人も多くなることでしょう。筆者の場合も、50歳頃に高血圧の症状が出て、循環器内科へ定期的に通院が必要となりました。
持病がある=医療保険に加入できないことではありませんが、いわゆる条件付きになるケースが考えられます。たとえば、特定の疾病や身体の特定部位が保障対象外となる、あるいは、持病に関する疾病については保障開始後○年間保障しない、など保険金が支払われないこともあります。他にも、加入はできるが特別保険料として支払いが割増になることや、一定期間中の保険金給付が削減される条件がつくことなどが想定されます。
持病の程度によっては、これらの条件を付けても加入できないこともあります。その場合は、持病があっても加入できる引受基準緩和型保険などの検討となりますが、当然ながら通常の医療保険に比べ毎月の保険料は割高、かつ、一定期間は保険金が削減される可能性が高いです。そこまでして医療保険の加入が必要か、いったん立ち止まって考えた方がよいでしょう。
筆者の場合は、新たな医療保険に加入するにはハードルが高く、加入できたとしても既契約と比べてコスパが悪くなるため、契約更新の一択となった次第です。