はじめに
途中から対立する例も
最初は両者で話し合いが行われていても、途中から思惑の違いから対立姿勢へと転換していく場合もあります。
コスモエネルギーHD(5021)は村上世彰氏が関わる投資会社シティインデックスイレブンスに2022年から株式を買い進められていました。当初は村上氏側とコスモの役員とで面談を重ねていましたが、途中から食い違いが生じたと言われています。買い増しを進めたい意向の村上氏側に対し、コスモ側は買収防衛策を発動するか決める予定でした。ところが2023年12月1日、水素の事業で協業関係を強化したいと表明した岩谷産業(8088)が、村上氏側が保有していたコスモの株式約19%を1053億円で取得した事を発表。村上氏側は、コスモの株式を買い増す意向を取り下げました。
TOBが発表されたら投資家はどう動けばいい?
TOBは、より多くの株主に売却してもらうため、買付価格を通常の市場価格(株価)よりも30~50%程度高めに設定するのが一般的です。この市場価格(株価)とTOBの買付価格との差額は、「TOBプレミアム(上乗せ幅)」と呼ばれています。もし、保有株がTOBされる場合は必ずTOB条件の詳細を確認しましょう。
TOBは不成立となったり、買付枚数に上限があって申し込んでも当選しない(買い取ってもらえない)などといったリスクがあります。また、TOBまで待つと現金化に時間がかかることなどを考慮するとTOBが発表されたらタイミングを見極めて市場で売却してしまうことが良い選択だと思います。また、敵対的TOBは仕掛けられた企業が買収防衛策を取る可能性があるため、友好的TOBと比べて成功率は低くなり、失敗に終わると株価が下落する可能性が高いです。
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