はじめに

成長投資枠で株式投資

次にご紹介するのは、勝田さん(仮名)です。投資歴は3年ほどですが、投資にとても熱心で、これまでのつみたてNISAでの投資額を大幅に増額する予定でいます。50代になり少し家計にもゆとりがあるので、老後資金用の資産形成に取り組みたいとのことです。

勝田さんは、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使う予定です。まず手続きとしては、現在つみたてNISAを利用して月3万円を高田さんと同様全世界の株式に投資をするインデックスファンドを購入していましたが、これを月5万円に増額する手続きをしました。つみたてNISAでの購入でしたから、自動的につみたて投資枠での積立となります。

成長投資枠については、株式投資にチャレンジされる予定です。今一生懸命銘柄選びの勉強をされています。伺うと、高配当株を狙っているということですが、株主優待もぜひゲットしたいと意気込んでいます。

NISAにおける注意点としては、損益通算や損失の繰り越しができないことが挙げられます。損益通算とは、譲渡益と譲渡損を相殺する仕組みです。

例えばA証券会社の特定口座で20万円の利益が出たとしましょう。一方B証券会社の特定口座では10万円の損失です。どちらも源泉徴収ありという税の手続きが自動で行われる設定にしていると仮定します。

するとA証券会社については、利益に対し20.315%が源泉されてしまいます。しかし、本人としてはA証券の20万円の利益とB証券の10万円の損失で、その年は10万円の利益ですから、A証券の源泉徴収では税金が引かれすぎたことになります。

そこで確定申告をすることで、A証券会社の利益をB証券会社の損失で打ち消し、払いすぎた税金を取り戻すことができます。これを損益通算と呼んでいます。

また、損失の繰り越しとは、確定申告により株式や投資信託での損失を計上し、最長3年間に渡り翌年以降の利益と相殺する仕組みです。仮に今年50万円の損失を確定申告で計上すると、翌年の利益30万円から計上された損失が控除されるので、税の支払いは不要、そしてその次の年にも利益が30万円出たら、そこから残りの20万円の損失を控除できるので、課税される利益は10万円のみといった流れになります。

しかし、NISA口座では、これらの手続きができませんので、特に積極的に株式の売買をしたいという方は、多くの銘柄を扱う際に損失がでているものも売却してトータルで利益を追求したいということも出てくるかもしれません。そういう場合はNISAではなく課税口座での取引がふさわしい場合もあることは知っておいた方が良いかと考えます。

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