はじめに

皆様は株式などに投資するとき、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析、どちらを用いていますか?ニュースや決算などのデータから株価などの値動きを予測するファンダメンタルズ分析、チャートの値動きを手掛かりとするテクニカル分析、どちらも大切ですし、私はファンダメンタルズで選んでテクニカルでタイミングをはかるというやり方を主にしています。

ところでファンダメンタルズとテクニカル以外に、「アノマリー」を手掛かりとすることも投資のヒントになることをご存知でしょうか?今回はアノマリーの重要性を解説します。


アノマリーとは?

アノマリーというのは理論的な根拠は薄いものの経験則に基づく市場動向の特定のパターンを捉えるものです。

アノマリーの利点としては、理論では説明しにくい動きを捉えることで、市場平均を超える成果が期待できる、パフォーマンス向上の期待ができるということ、アノマリーは市場の背後にある心理的要因を理解するのに役立つということなどが挙げられます。

アノマリーは常に当てはまるわけではないため、他の分析手法と組み合わせることが重要であること、アノマリーに頼りすぎないことはあらかじめ念頭においてくださいね。

年末のアノマリー

まずは年末のアノマリーについて年末年始には株価が上昇する傾向があります。これは、年末に市場参加者が減少して売り圧力が弱まることや、新年に新たな投資資金が市場に流入することが要因とされています。

年末相場では米国ではハロウィーン効果とも呼ばれる10月末から翌年春までの相場上昇が見られるというアノマリーがあります。過去20年間で勝率は75%なので、そこそこ信ぴょう性があるアノマリーです。また日本でも“掉尾の一振(とうびのいっしん)”というアノマリーがありますが、10月末から年末にかけての上昇傾向があるという意味で、日本でも10月末から年末にかけて過去20年間の勝率は70%となっています。

12月の日経平均株価は、12月21日現在で高値圏で推移しています。今年前半力強く推移したことで後半は高値を超えられていませんが、12月の日銀金融政策決定会合では現行の大規模金融緩和策が維持となっており買い安心感もあるようです。このままいけば今年も11月初めから比べると年末高と言える値動きとなる可能性は高そうです。

年始のアノマリー

では1月4日大発会から始まる新しい年の相場はどうなるのか。アノマリーを見ると、節分天井・彼岸底という、2月上旬の節分に株価が高く、3月中旬の彼岸に売られるというものがあります。

このアノマリー通りに行けば2月まで上がりそうですが、1月は相場の流れが変わることも多いです。2020年、2022年は年末高から月足で下落しています。そうなるとアノマリーに頼りすぎずテクニカルなども含めてしっかりウォッチする必要がありそうです。

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