はじめに
年代別のアドバイス
今回の結果を受けて、筆者からの年代別アドバイスをお届けします。
20代:早めに「投資側」にまわりたい
20代は、資産形成や投資に対して前向きな人と、そうでない人の差が大きく開いていることがわかりました。早めに投資を始めれば、月々の金額は少額でも、コツコツと積立投資をすると、大きな差が生まれる可能性があります。
例えば、月1万円の積み立てで、金利が0%だとしても、20年後(20代の人が40代になるころ)は、1万円×12か月×20年=240万円です。月2万円なら、480万円です。
仮に年利3%で運用できたとすると、月2万円で、20年後には、元本480万円が、約656万円になる計算です(税金や手数料等を除く)。
新NISA(つみたて投資枠がよいでしょう)で月1~2万円くらい積立投資をしていけば、いつの間にか大きな資産になっている可能性があります。
ちなみに筆者は40代で、この春、二回目の大学に入学して学んでいます。学費が少なくても300万円ほどはかかるので、20代から資産形成してきたものを取り崩して使っています。いきなり数百万円の準備は難しいですが、20代からコツコツと資産形成をしておけば、将来の自分が上手に役立てられる可能性はあります。
30~40代:失敗しても取り返せる
30~40代は、資産形成の興味度は50代に比べると高く、比較的近い状況でした。しかし、投資をしている割合は、30代に比べると40代の方が投資をしていない割合が高く、一歩踏み出せていない人も多いようです。
現役の時間がまだまだある世代。時間があるからこそ、万一失敗しても取り戻す時間があります(筆者も30代に投資で失敗したことがあり、それを教訓にしてその後の投資に活かしています)。月100円や1000円で、投資信託の積み立てもできますので、新NISAが始まることを機に、トライしてみてはいかがでしょうか。
また、お金の知識習得の際に、30代と40代の方は、20代や50代の方に比べてYouTubeの割合が高いという結果でした。動画は大変わかりやすいですが、個人の見解で発信しているものも多く、正しい情報かのチェックが入っていない場合もあります。同じテーマでも、できるだけ複数の動画を見ることで、情報の偏りをなくすことをおすすめしたいです。
50代:投資を始めるのは遅くない
50代は、20代に続いて、投資への興味や実施度が低いことがわかりました。50代の方からは、「これから資産形成といっても…」「今から投資を始めても、もう遅いのではないか」という声を聞かれます。しかし、平均余命で考えれば、これから20~30年は元気に過ごせる時間があると考えられます。
寿命が伸びた今、定年後の時間も長くなって、預貯金を取り崩すだけでは不安な気持ちが出てくるかもしれません。現役で働いている今のうちから、少額でも投資を始めてみるのも一案だと思います。預貯金が少なければ、預貯金と同時並行で、例えば「投資月2万円、預貯金3万円」といった具合に、両方を進めていくのです。
新NISAのつみたて投資枠にある投資信託で、例えば世界中の株式に幅広く分散するようなタイプをコツコツ積み立てていけば、投資先の偏りがおさえられることでリスク軽減が期待できます。
60代後半で、現金が必要になったら、一部売却して現金化してもよいでしょうし、積み立てにまわすお金が減ってしまっても、月5000円などに積立額を下げる手もあります。
50代からの投資はまだまだ遅くありません。月2万円が不安なようでしたら、1000円や3000円、5000円くらいで始めてみるのも一案です。
減っても問題ない「お金」でトライを
投資を少しずつ経験することのおすすめについてお伝えしてきましたが、注意点もあります。それは、元本保証の預貯金とは異なり、投資は元本が減る可能性があることです。
相場が右肩上がりの時期、「もっと増やしたい」という気持ちが膨らんで、預貯金を崩して投資に回したくなる場面もあるでしょう。しかし、「いつか大暴落するかも」ということは常に念頭に置くことが必要です。
コツコツ積み立てていくぶんには、大暴落があっても、価格が下がった時に買うことにもなるのであまり慌てる必要はありません。まとめて投資をすると、「資産が二倍になる可能性」もある一方で、「高値のときに買って、その後大暴落して半値になる可能性」もあります。
投資には「リスクがあること」を常に頭に入れて、積み立てなどで少しずつ始めるのがよいでしょう。そして投資に使うお金は「万一半値くらいになっても問題ないお金」を充てるようにしましょう。
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