はじめに
遅れていたECは猛スピードで追い上げ中
かつてしまむらは「しまラー」という言葉が流行するほど栄華を極めていましたが、コロナ前の2018年度からは3期連続で、前年比で減収減益。オワコンムードがなんとなく漂っていたのは否めません。その要因は、ECサイトの出遅れが挙げられています。全国各地に店舗を持つのがかえって仇になったと言えますが、世の中の流れから遅れた感は否めません。
オンラインストアがスタートしたのは、コロナ禍の2020年10月。だいぶ遅れてのスタートですが、直営のECサイト「しまむらオンラインストア」は、順調に成長しており、今期2024年2月期の第3四半期時点での、EC売上高は52億円(前年比+79.6%)で、すでに年間計画を達成しています。
もちろんここにもしまむらイズムは仕込まれており、なんとECで注文した商品の9割が店舗受け取りです。購入者のメリットとしては、店舗受け取りにすれば送料が無料であること、しまむらサイドとしては、物流コストが抑えられることに加え、商品を引き取りに来た人が、店舗で併せ買いをする確率が高く売上増加につながることです。巨大な店舗網を持つゆえの力技ですが、さすがとしか言いようがありません。