はじめに

年末が近づくと、宝くじの宣伝が目に付くようになります。普段はギャンブルに縁がなくても、年末ジャンボ宝くじだけは別、という人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、宝くじで10億円当たったらどのような生活が実現できるか、FPの視点も踏まえて妄想をふくらませてみたいと思います。家を買って、仕事をやめて、毎年旅行を楽しんで…、でも少しは仕事もしたほうがいいのでしょうか。

いくつかのケース別に、使いみちを考えてみましょう。


年間2000万円ずつ使っても50年保つ

手元に10億円あったら、1年2000万円ずつ使っても50年保つ(もつ)計算です。30歳で当たったら、80歳まで使えます。とはいえ、平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳。80歳までの計算では少々心もとないですね。

では少し使うお金を減らして、年間1000万円ずつ使うならどうでしょう。この間、資産運用しなくても100年保ちます。長生きの可能性を考えると、かなり余裕をもって考えた戦略です。現在の年収と比べて、働かずに暮らそう、と思えるかもしれませんね。

ただ、問題はお金の管理です。金融機関に10億円を預けて、毎年1000万円ずつ引き出すようにすれば、計画的に使えるかもしれません。しかし、月ごとに考えたほうが収支のコントロールはしやすいでしょう。毎月80万円ずつにして、年末には特別ボーナスで40万円引き出せばいいようにも思えます。

働かずにこれだけの収入が確保できるのは、すごいことですよね。ただ、10億円のインパクトに比べると、案外質素に感じられるのは私だけでしょうか。

勤労で得た額面80万円の場合、税金や社会保険料を払って、食費、日用品、通信料などを払うと、それほど豪勢に遊ぶお金は残りません。勤労していると、自由に使える時間も限られます。

しかも、働かなければ時間はたっぷりあります。お金のかかる趣味などに時間をついやせば、あっという間に毎月80万円は使い切ってしまいそうです。趣味やレジャーなどにお金を使うなら、日常生活は月50万円程度には抑えないといけませんね。

ただし、この計画は、家族の状況などが変われば見直しが必要でしょう。独身のときに月50万円を使い切る生活をしていると、家族が増えた時に上乗せで教育費などの支出が増えると、資金計画は一気に崩れるリスクがあります。子どもの教育費は、いわば家計の聖域になりがちですから、資金の余力があると想定以上に使う可能性も小さくありません。

ですから、もし10億円当たって、ずっと働かずに暮らそうと思うなら、毎月の生活費で贅沢三昧はできないと考えた方がいいでしょう。同じ年齢層、家族構成の年収を目安に、計画的に資金を取り崩していくと安全です。

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