はじめに
医療保険の見直しをする
勤め先が変わることで、それまで加入していた健康保険も脱退となるため、切り替えの手続きが必要となります。間を開けずに転職先の社会保険制度に加入する場合は、会社で手続きを行ってもらえますが、そうでない場合は求職期間中の健康保険をどうするか、退職前に決めておく必要があります。
求職期間中は、現在加入している健康保険の任意継続被保険者(退職の前日までに継続して2カ月以上健康保険の被保険者期間がある方のみ可能)となるか、国民健康保険に加入するか、または家族の扶養に入るか、このいずれかとなるでしょう。
特に、現在の健康保険を任意継続する場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要です。さらに、任意継続できる期間は2年間とされている点にも注意が必要です。まずは退職前に、それぞれ保険料の負担額など、あらかじめ調べておいた方がスムーズに手続きが進みます。
このように、キャリアチェンジの際には、自身の社会保険の内容も変わってきます。健康保険によっては独自の充実した保障が上乗せされる場合もあります。また、会社で団体保険に加入していた場合、退職後は保障を継続できない場合も考えられます。キャリアチェンジによって、保障に過不足が発生することも考えられるため、この機会に加入している民間の保険についても見直しましょう。
ライフプランを作成する
キャリアチェンジをすることで、収入や社会保障に変化が生じるため、家計の状況も変化します。そのため、できるだけ早い段階で、現在の資産の状況を今一度洗い出し、キャリアプランの変更を反映したライフプランを作成しましょう。キャリアチェンジ後の家計の変化を事前に想定しておくと、スムーズに新生活のスタートを切ることが可能です。
たとえば、退職してから転職活動を行う場合、一時的に収入が途絶えることになります。その期間、家族の収入をやりくりして過ごすのか、貯金を切り崩す必要があるのか、前もってシミュレーションしておくことで、転職活動にかけられる期間が明確になります。家計の心配をすることなく、転職活動に集中できる環境をつくることは、納得いくキャリアチェンジには欠かせません。
また、ライフプランを作成することで、教育費や老後資金をはじめとした資金が必要なライフイベントを把握することが可能です。そのため、資産運用を考えるときも、「いつ」「いくら」資金が必要なのか、そのためにどんな運用方法が適しているのかが明確になります。