はじめに

投資信託に複利効果は期待できない

とはいえ、投資信託の基準価額は日々変動しています。基準価額が1万2000円の時もあれば、1万円まで値下がりしてしまうこともあります。

たとえば1万円の基準価額で購入した投資信託が1万1000円まで値上がりした後、9000円まで値下がりしたら、評価上では1000円の値上がり益が得られていたのに、9000円まで値下がりする過程で、得べかりし利益が失われ、さらに買値から見れば1000円の損失まで被ることになります。

投資信託の場合、こういうことが往々にして起こります。このように損失を被ってしまうと、再投資効果など全く関係なくなってしまいます。何しろ元加する利益がゼロになるどころか、元本そのものが目減りしてしまうのですから・・・。

よく「投資信託の複利効果」などと記して、指数関数的に将来の収益が増えていくことを示す曲線でもって、その効果の高さをイメージさせるような資料や記事などがありますが、あれはあくまでも①元本が目減りしない、②常に収益率が一定、という2つの条件を満たした場合にのみ当てはまります。

でも投資信託は、この両方の条件を満たすことができません。そうであるにも関わらず、再投資によって指数関数的に収益が増えていくかのように見せることは、ある種の騙しと言っても良いでしょう。

「投資信託を長期間保有すれば、再投資効果によって大きくお金が増える」と考えている人は、今からでも遅くありませんから、そのような間違った認識を頭から外して下さい。投資信託で資産形成をするならば、少なくとも世間で言われている複利効果について過大な期待をしない方が無難です。

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