はじめに

運用成績はどうか?

では、変額保険で扱っている運用商品の方が優れているという点はどうでしょうか? パンフレットによると、日本の株式や世界の株式に投資をする投資信託が数種類準備されていて、それを契約者の方が自由に組み合わせて、また適時変更もしながら運用ができるようになっています。

やはりここも一方だけを良いと思ってみるのではなく、比較する必要があるでしょう。今回は、MSCIワールドインデックスという指数をベンチマークにしている変額保険の投資信託と同様の投資信託をNISAのつみたて投資枠からピックアップして比較することにします。

NISAにも様々な投資信託がラインナップされていますが、その中でも信託報酬が0.1%以下の複数のインデックスファンドの過去3年間年率リターンは20%強であることが分りました。坂田様は、変額保険の運用商品の過去の実績はまだ確認していないとのことでしたので、ひとつの判断基準としてお示ししました。

最後にNISAの投資は難しいのかという点で考えてみましょう。たしかに変額保険で選べる商品の数に比べるとたくさん有りますから、難しいといえば難しいでしょう。しかし、投資をしたことがないから、オススメされたもので運用してそれで良いというのもどうも違う気がします。

解説が長くなりましたが、変額保険は様々な機能がついている分、NISAで運用をするよりもコストが高くなってしまいます。従ってその機能がご自身にとって納得感があるのかどうかがポイントだと思います。

例えば将来のインフレリスクも踏まえ、終身保険を準備したいのであれば、変額型の終身保険というのは有効でしょう。あるいは、保険だからこその機能として、万が一認知症などになってしまった時に、代理人の方が保険契約を解約してその後の生活費に充てるなどといったことも考えられます。

坂田様は最後まで、一定の障害状態になった場合の保険料払込免除を気にしていらっしゃいました。死は100%の確率ですべての人に訪れますが、65歳までに亡くなる確率はぐっと小さくなります。ましてや65歳までに一定の障害状態に陥る確率はそれほど高くないのではないかと筆者は思います。

保険会社の方は、万が一の生活を守るためのお仕事をされているので、一般の人より「万が一」に敏感であるような気がします。だからこそ、様々なことに保険をかけるのだと思いますが、リスクへの対策には保険以外の備え方もあるのではないでしょうか。

今回はあくまでも坂田様のケースに限ってのお話ですが、投資についてはこれから学んでいきたいというお気持ちなのであれば、適切な保障を保険で準備し、人生のマイナスに備える。人生のプラスに向かう部分はNISAを活用するという方法でよろしいのではないかとアドバイスさせていただきました。同様のお悩みをお持ちの皆様のご参考になれば幸いです。

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