はじめに
5年後に引退する場合は98歳まで資産がもつが…
仮に5年間今の会社で頑張って、資産をさらに大きく伸ばした場合は、98歳頃まで資産がもつようになります。
ただし、相談者さまと配偶者さまの年齢が離れているので、配偶者様が100歳になるまでは資産がもたない可能性もあります。この場合はもう少し節約が必要になりそうです。
今すぐのFIREは難しいかもしれませんが、個人事業主としてフルリモートで手残りで200万円稼ぐまでの助走期間として考えてもよいかもしれません。または、プレッシャーがキツいようであれば、一旦FIREではなく働き方を見直して転職する手もあるかもしれません。
懸念点は運用資産の比率が高すぎる点
なお、5年後に引退するプランの場合にも問題があり、現金が56歳の時点で底をつきてしまうのです。その後56歳以降は「資産を運用しながら取り崩す」ということになりますが、資産は常に増減しているためこれがなかなか難しいと思います。
理論値では、1億円以上の資産を想定利回り5%で運用としている為、それほど資産が減っていかないのですが、実際の生活では運用資産は暴落を起こしていたり、急騰したりとランダムウォークをしているはずです。そうなると、なかなか取り崩しをするタイミングが難しくなり、資産はあるのに現金が底をつくような状態になりかねません。
おそらく現状では投資に資産を回しすぎているので、以下のタイミングで運用資産を現金化したとすると80歳時点までは現金がもつようになります。
・48歳で5,000万円の解約
・60歳で3,000万円の解約
・64歳で3,000万円の解約
・70歳で1,000万円の解約
投資しているお金を段階的に解約すると?
すると、投資にまわしているお金を現金化しているので運用益が減り80歳で資産全体がショートします。
さらに支出改善をするとゆとりが
ただし、この場合は支出全体からさらに月5万円の改善ができると、90歳まで現金がもち、そこから運用資産をとりくずし100歳まで資産がもつようになります。
運用資産の増減に注意が必要!
理論値だけで複利運用ができるとこのような推移になりますが、実際には運用資産はランダムウォークをしていきます。ある程度利益が出ているうちに現金化する必要がでてきますし、現状は少し投資にまわしすぎなのかもしれません。
一定の資産があれば確かに当面の生活は担保できますが、どんどん資産が減っていくことは精神的にはかなり厳しいものがあります。暴落などがあることも考えて、その場合は働く量を増やし、支出をさらに減らしていくなどのバランスが重要になってきますね。
サイドFIREの実現性がないわけではありません。ただし絶妙なバランスの上に成り立っていくので、
・運用をしながらも現金のバランスに気をつける
・収入が少なくなったら、生活レベルも落としていく必要がでる。家計の支出コントロール力を身につけておく
・いざとなったらより働いて稼ぐという切り札は常にもっておく
・退職後に前年分の収入に応じた住民税が引かれるので事前に準備しておく
このようなポイントを押さえておくことが重要だと思います。
参考になれば幸いです。
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