はじめに
“冒険投資家”ジム・ロジャーズ氏
ジョージ・ソロス氏と共に“史上最強のヘッジファンド”と言われるクォンタム・ファンドを設立。旅好きで“冒険投資家”と呼ばれる投資家。ジム・ロジャーズ氏の投資手法は、その独自性に特徴があります。
1.変化を掴む
ロジャーズ氏は、投資の契機として何らかの大きな「変化」を掴みます。これは通常、社会や経済における従来とは異なる変動です。
2.トップダウンアプローチ
彼はトップダウンの視点から投資対象を決定します。国、業種、企業の順で考え、投資先を選定します。
3.自分の知識を生かす
ロジャーズ氏は、自身がよく知る対象に投資を重ねることを好みます。情報の豊富なアニュアルレポートや企業の公式情報を丁寧に読み込み、深い洞察を得ます。
4.割安を追求
彼はできるだけ「割安」な投資対象を選ぶことを心がけます。しかし、彼にとって割安とは、市場で不人気であることや放置されていることに価値を見出すことでもあります。
5.ロングショート戦略
ロジャーズ氏はリスクを管理するために、ロング(買い)とショート(売り)のポジションを同時に持つ「ロングショート戦略」を取ります。これにより、リスクを分散させつつ利益を積み上げます。
6.仮説・検証サイクル
彼は投資を行う際、仮説を立てて小さな取引から始めます。仮説が正しい場合、ポジションを拡大しますが、誤った場合は検証し、修正や損切りを行います。このサイクルを繰り返すことで、リスクを最小限に抑えながら成果を追求します。
7.グローバル・マクロ運用
ロジャーズ氏は世界中の金融市場をマクロ経済の視点から分析し、価格と市場の乖離を見つけ出します。このアプローチにより、市場の歪みを利用します。
8.商品投資
また、株式投資に加えて、商品投資も勧めています。彼は世界的なリソースの動向に注目し、商品市場も積極的に取り組んでいます。直近ではインフレを背景に有望な投資対象としてコモディティーを挙げています。
ジム・ロジャーズ氏の投資スタイルは「割安」と「変化」がキーワードとなっていて、その独自性が成功の要因とされています。市場の歪みを見つけ、リスクを管理し、長期的な成功を追求する投資家にとって興味深いものです。
ジム・ロジャーズ氏は1942年生まれで、早期(37歳)で引退をしており、FIREの先駆者といえるかもしれません。また米国株の上昇といった「良い時代の終焉が近づいている」と昨年末に指摘しています。