はじめに

企業改革が好業績に結びつく

利益増の背景には、ICT活用による業務効率改善が挙げられます。会社四季報を遡ってみると2023年新春号の記事欄に「来期開始するDX強化軸の新中計を策定へ」と書かれてあり、意気込みの強さを感じます。素人感覚でも、塾の運営は煩雑な作業が多いとイメージできるため、DX化を推進することによるメリットは大きいのでしょう。個別指導など、人力で手を抜けないところに集中し、それ以外の分野ではなるべく自動化するといった企業改革が好業績に素直に結びついています。

かつては、小学生の学習といえば、赤ペン先生でお馴染みのベネッセホールディングスでしたが、この10年あまりベネッセホールディングス(9783)の業績は低迷中。

2023年4月の「進研ゼミ」会員数は160万人で、285万人いた2011年頃と比べると、半数近くまで減少しています。この状況を打破するために、創業家が主導する株式公開買付(MBO)が発表され、成立すれば上場廃止となります。デジタル知見を取り入れ、大胆な構造改革を行う予定だとか。

卒塾生に対する新たなサービスも

このように優勝劣敗が鮮明に分かれる学習塾界隈ですが、今後も早稲田アカデミーが勝ち組であり続けるためには、より需要が伸びている個別指導部門の拡張が求められます。中期経営計画に掲げられている「100校体制」を確立し、難関校受験対策No.1個別指導塾の地位獲得が実現するかどうかが勝負。

さらに新領域としては、2025年3月期より「塾生」及び毎年1万人以上いる「卒塾生」に対して新たな授業サービス の提供を開始し、中学受験で終わらず、引き続き大学受験に向けての学習ニーズへの対応力を高めていく方針です。我が家では、下の娘が2025年に大学受験を迎えますが、大学入試の多様化で、ひたすら過去問を解くような受験勉強ではなく、推薦入試に対応した個別の学習が必要に感じています。そうしたきめ細かな対応をしてくれる学習塾は、少子化が進む中でも生き残っていくのではないでしょうか?

画像:TradingViewより

株価は、週足チャートできれいな上昇トレンドを描いています。次回5月半ばに出てくる新年度予想が引き続き過去最高を更新するなら、このまま上昇曲線を描いてくれそうです。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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