はじめに
今年の株式市場は年始から非常に強い動きが続いています。2月16日の日経平均株価は38,487円台で終了しました。一時は1989年の大納会に付けた史上最高値の38,915円にあと50円まで迫る水準まで上昇する場面もありました。2023年の大納会終値33,464円から2月16日の高値まで、日経平均の上昇幅は約5,400円、上昇率は16.1%でした。上昇個別銘柄でもトヨタ自動車(7203)が日本企業初の時価総額50兆円を突破し、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など半導体関連は上場来高値を更新しています。米国市場もS&P500やNYダウが過去最高値を更新しました。また、エヌビディアが今年だけで40%以上上昇し、アマゾンやアルファベットを抜いて、米国市場で3位の時価総額となっています。この急激な上げについていけない投資家も多いのではないかとも思います。今回は日本の高配当の株価指数についてお伝えします。
日経連続増配株指数とは?
前回は米株のインカムゲインで人気の配当王(50年以上にわたり、連続増配している銘柄)と配当貴族(25年以上連続増配している銘柄)についてお伝えしました。日本においては昨年の6月から日経連続増配株価指数を日本経済新聞社が発表しています。日経連続増配株指数とは、連続増配年数で原則10年以上の国内企業上位70銘柄というルールで構成されています。特徴として日経連続増配株指数は構成銘柄のほとんどが日経平均株価には採用されていない銘柄です。
日経新聞のデータを元に大和アセットマネジメントが作成したデータによれば、時価総額1〜100位の大型株で採用されている銘柄は11社、101〜500位の中型株で採用されているのは25社、501位〜で採用されているのは34社で合計70社です。また業種の構成比率は生活必需品など景気に左右されにくいセクターの組入れが多くなっていて、一方、情報技術など景気に左右されやすい業種の組み入れは控えめになっていることも注目です。
生活必需品とは日常生活に必要不可欠な製品やサービスを提供している企業です。組入れ業種で生活必需品といえば花王(4452)をイメージした方は、多かったのではないでしょうか。もちろん花王はこの日経連続増配株指数に入っていて、前回の記事でも日本で配当貴族に名を連ねている企業であるとお伝えしていました。花王は国内で時価総額が77位の大型株に属します。トイレタリー製品では国内シェア第1位、化粧品ではシェア3位メーカーです。 2022年度には33年連続増配を達成し、2月7日に決算発表と同時に今期の2円増配予定を公表したのは前回の記事の通りです。