はじめに

GPIFの基本ポートフォリオ

GPIFは、世界最大の機関投資家と呼ばれています。マーケット内の大きな資金運用を行っている機関投資家を“クジラ”と呼びますが、正にそのクジラに匹敵する機関といえるでしょう。国内株式での運用資産は約55.8兆円で東証プライム市場の株式時価総額の約6.2%を占めていて(2月22日時点)、国内では最大級の株主となっています。しかし、ファンドを通して間接的に株式を保有しているのでGPIFの名前は株主名簿に掲載されません。たとえ大株主になった場合でも運用委託先の名義の有価証券報告書が公表される仕組みです。株主名簿を調べて同じ銘柄を購入しようとしても、それは不可能です。

基本ポートフォリオは、国内と外国の債券及び株式の4資産に25%ずつ投資する形態ですが、資産ごとに±6〜8%の乖離許容幅が認められています。ただし、近年は25%で運用されているように思います。直近の運用資産割合は国内債券58.3兆円(25.77%)外国債券55.3兆円(24.44%)、国内株式55.8兆円(24.66%)、外国株式56.9兆円(25.14%)となっています。

コロナショックでもインカムゲインは増加

前途に示した通り期間中の収益額はプラス132兆4113億円です。しかし、そのうち利子・配当で50兆5529億の収益があります。約37%がインカムゲインです。株式市場にはキャピタルゲインとインカムゲインがあります。キャピタルゲインは債券や株式、不動産など資産価値の上昇による利益です。対してインカムゲインは株式投資では配当、不動産投資では家賃収入などです。キャピタル部分はマイナスになる年もあります。ただ、インカムゲインは右肩上がりで下がる事はありません。直近で株価が大幅下落したコロナショックの際もインカムゲインは増加しています。

同機関の日本企業の保有銘柄数は2300社を超えています。保有時価総額ベースではトップがトヨタ自動車 、2位がソニーG、3位はキーエンスと続きます。米国株では、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット保有比率が高いです。

日経平均株価は史上最高値を更新しました。米国市場のS&P500指数も今年に入り過去最高値を更新する場面もあります。GPIFの運用状況もかなり良好な状況が期待できます。今四半期も過去最高の収益額が見込まれそうです。しかしコロナショック後の急速な収益拡大をみると、新年度(4月)以降も一本調子で株価上昇となるのか?不安な部分もあります。しかし、同機関などの運用実績などを見ると長期目線での投資が有効のように感じます。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。