はじめに
【3】新NISAスタート
2024年から始まった新NISA (少額投資非課税制度)で、つみたてと成長投資枠が併用できるようになり、年間非課税納付限度額が従来の120万円から360万円に拡大し、生涯投資枠も1800万円と拡大されました。
新NISAが使いやすくなったことで新たな投資家の取り込みにつながっており、インターネット専業証券では1月末の口座数と比べて主要5社合計で12月末から約90万件(3.3%)増加し2819万口座を超えたとも報じられています。
新NISAではオルカンや米国型の投資信託が人気を集めてはいるものの、高配当利回り銘柄など国内株式への資金流入や投資家の関心が株式に向いたという点でも一定以上の影響はあると考えられます。
【4】外部環境、日本株に資本が流入の流れ
米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が日本の5大商社株の株を購入、さらに保有比率を高めたことで海外投資家が日本株を物色し始めたことが寄与。
直近では3月7日にS&P500が最高値をつけており、特に生成AI関連が物色されているなかで、日本でも半導体関連などハイテク株が買われていることが日経平均の支えに。
また米中対立の長期化などから低迷している中国市場からの資金が日本にシフトしていることも挙げられます。日本銀行や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など、公的資金が「日経平均が大きく下落したら買いを入れてくる」と考えられていることも買い安心感に繋がっているようです。
【5】円安の進行
円安の進行も日本市場の上昇要因となっています。円安が進むということは、海外の投資家からするとドルやユーロの目線で見れば日本株は割安となるわけです。加えて円安によって製造業など海外で売買を行う企業の業績改善への期待感や、自動車や機械など輸出関連企業への物色も行われやすくなります。