はじめに

介護資金の置き所にする

高齢化が進み、介護に備える必要性を感じながらも、介護にならないのでは?という希望的観測で、備えていないひとが大多数なのではないでしょうか。

令和2年の国勢調査報告によると、要介護1以上の認定を受けているひとは、65歳以上人口で約15%、80歳以上人口で約40%、85歳以上人口になると約50%近くになるそうです。データが示す通り、備えは必要といえます。

介護保険商品は以前に比べ多くなっていますが、大半は掛け捨てといわれる商品で、なるかならないかわからない介護に対して保険料を払うことに抵抗がある人が多いのも事実です。

そこで、介護のための資金を預貯金に置くのではなく、保険に置いておく介護保険を使う方法を紹介します。

60歳男性、要介護2以上の認定を受けた場合、生存している限り年金50万円を受取れる保険です。保険料は月25,800円。毎月払う保険料としては少し高い保険料ですが、80歳まで介護状態にならず、介護保険金を受取ることがなければ、80歳までに支払った保険料を一旦全額返すという仕組みです。80歳で戻ってくる金額は6,192,000円。保険にお金を積立てていたと考えると、そんなに高い保険料ではありません。

利息はつきませんが、その間所定の介護状態になったら毎年50万円の介護年金が受取れるわけですから、保険の部分が利息分だと思えばいいかもしれません。しかも、介護年金を受取るようになったら、保険料は不要になる払込免除が付いていますので、介護状態になった後の保険料支払いの不安もありません。

6,192,000円を受取った後も、保障が必要なら、ここから掛捨てにはなりますが、同じ保険料で一生涯続けられます。また、受取った金額を以降の介護準備金にして保険をやめるのも一つの選択です。

資金の使い道が明確な場合は、保険に資金を移しておくのも、ひとつの選択肢です。保険商品を活用する際は、相談する担当者に、いつ頃、どんな目的のためにお金を使いたいのかをはっきり伝え、合理的な商品を提案してもらいましょう。

限りある資金です。商品の特性を活かして、上手に活用しましょう。

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