はじめに
15年で元本が3倍弱まで成長する可能性も
実際に新NISAでの投資で人気なのは全世界型(オールカントリー=オルカン)やS&P500といった投資信託です。ただ、オルカンやS&P500だけでは投資としては不十分なのではという指摘もあるようです。確かに、ただ指数に単純に投資をしていくだけでは投資のリテラシーはあまり上がらないかもしれません。また積み立てて投資をしていくやり方は、資産を形成するまでに長い時間がかかると言うデメリットがあります。しかしながら、これから投資を始める学生さんなどは老後まで長い時間がありますので、長期間で小額ずつ積み立てていく方法は、時間的な優位性も利用できますし、仕事が忙しい若い世代も、投資にあまり時間を割かずに資産を形成できる点は、このやり方の良いところだと思います。
パフォーマンス面の一例を紹介しましょう。例えば、全世界株式(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス)に2008年10月から2023年10月末まで毎月3万円を15年間積み立てた場合、ただ貯めただけなら540万円なのが、投資の複利の効果も手伝って、約1536万円になったのです(投資元本と評価額で996万円の差)。この計算はあくまで過去のデータによるシミュレーションであり、実際の運用とは異なりますが、それでも投資の可能性を感じていただけるのではないでしょうか。
分散投資とリバランスはしっかりと
単純にインデックスファンドに投資をしていくだけではなく、ご自身で投資をしていくのであれば、分散投資やリバランスはしっかりと意識をしていただきたいところです。
分散投資は、異なる資産クラス(株式、債券、不動産など)や地域、セクターに投資することでリスクを分散する方法です。長期間にわたって安定した成績を出すためには、資産の分散が重要です。異なる資産クラスや地域に投資することで、リスクを最小限に抑えつつリターンを追求することができます。リバランスは、定期的にポートフォリオの資産配分を調整することです。例えば、株式の割合が上昇した場合には売却して債券などに再投資することで、目標の資産配分を保つことができます。リバランスを行うことで、リスクを適切に管理しつつ長期的なパフォーマンスを最大化することができます。
新NISAの成長投資枠では個別株やREIT、海外ETF、海外株など幅広く投資ができるので、インデックスに加えて自分でポートフォリオを組んでみてはいかがでしょうか。これらの方法は、投資初心者や学生にとっても実践しやすいものです。リスク管理をしっかり行いながら、長期的な視野で資産形成を進めることが重要です。