はじめに
ここからは、2022年と2023年の大納会終値をベースに、各企業の時価総額の増減を紹介します。
生成AIで好調 半導体関連企業
半導体関連の企業の時価総額の増加が目立ちました。東京エレクトロン(8035)は約5兆8000億円増加し、ディスコ(6146)は約2兆4000億円増加しました。両社はプライム市場の時価総額ランキングで東京エレクトロンは12位から3位にディスコは95位から29位(2023年納会終値時点)に躍進しました。
背景には、米国エヌビディアの存在です。生成AIの利用が世界で急速に拡大し、同社が生産する画像を処理する半導体で、大量の計算を同時に実行できる「GPU」の需要がデータセンター向けなどで急増し、同社株が年間で約200%上昇した事で、日本の半導体関連も物色されました。また、政府が台湾のTSMCやラピダスに多額の補助を行う事も好感されました。
増加が目立ったメガバンク
メガバンクの時価総額増加も目立ちました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が約3兆5000億円増加、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が約2兆円億円増加、みずほフィナンシャルグループ(8411)が約1兆4000億円増加しました。日本企業の賃金も上昇し、物価が安定的に2%上昇する見通しで日銀がマイナス金利解除などから買われました。三菱UFJやみずほなどは新NISAで買いを入れる個人投資家も増加しています。
時価総額増も順位を落とした通信株
時価総額は増やしつつも順位を落としたのがKDDI(9433)やソフトバンク(9434)の通信株です(2022年と2023年の大納会終値を比較)。特にKDDIは、京セラの谷本秀夫社長が保有する同社株を秋に具体的な活用策を示す方針で、一部の売却も視野に入れ、銀行借り入れの担保にするとしていた従来方針を見直すと2024年1月に日経新聞社の取材で発言された事で株価は軟調に推移しています。
時価総額現象・順位も落とした薬品株
反面、アステラス(4503)や武田薬品工業(4502)、第一三共(4568)などの薬品株は、時価総額が減少し、順位を落としています(2022年と2023年の大納会終値を比較)。アステラス、武田は業績が下振れした事が要因です。その他でファナック(6954)やニデック(6594)などが時価総額を減少させました。
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