はじめに

沈みゆく運命と目をかけていなかった紳士服業界が、もしかしたら2024年は注目セクターになるのかもしれない。そう感じたのは、5月1日に紳士服では業界2位のAOKIホールディングスが、24年3月期の通期予想の上方修正を行なったからです。


二度の上方修正

画像:AOKIホールディングス「連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ

売上高は、前回発表予想185,000(百万円)から187,700(百万円)へ、1.5%の増額。営業利益は、前回発表予想13,000(百万円)から13,850(百万円)へ、6.5%の増額。じつは、今回の上方修正は、2度目になります。

いちばん最初に発表された当期の予想は売上高180,500(百万円)、営業利益は10,800(百万円)なので、当初の予想からは、売上高は3.9%、営業利益は28%の増額となります。売上の増額率に比べて、営業利益の増額率が高く、営業利益率の大幅改善が見られます。仕入れ価格の上昇に対応した価格改定を行なったことと、販売施策の強化が功を奏したようです。

画像:AOKIホールディングス「第3四半期決算補足説明資料

24年3月期第3四半期の決算説明資料によると、前年同期と比べて販売着数は49万着から45.9万着へ減少していますが、販売単価は、2.6万円から2.9万円と上昇していることが分かります。おそらくこの流れは、来期も続くのではないでしょうか?

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