はじめに

若い人にはオーダースーツが人気?

紳士服=おもにビジネススーツは、もともと通勤服のカジュアル化によって需要が低減していたところに、コロナによるリモートワークで完全にノックアウトされ瀕死の状態でした。

そんな中でもAOKIは「パジャマスーツ」という画期的な商品を編み出し、コロナ禍でも攻めの姿勢を崩しませんでした。スーツのキチンと感は残しつつ、着心地はパジャマというリモートワークにはぴったりの服で、オンライン会議の合間に、ゴロンと昼寝なんてこともできちゃうのです。「パジャマスーツ」というネーミングから、外出には不向きのようにも感じますが、実際には、カジュアルスーツといった様相で、充分、ビジネスに対応できます。

そのため、リモートワークが減少しても、需要は維持できています。たしかに、最近は、Tシャツにジャケット、素足にスリッポン的な靴を合わせたスタイルの男性が増えたように感じます。

一方で、若い人たちの間では、オーダースーツを好む人が増えていると聞きます。YouTubeなどで、メンズスーツの着こなしや、ルーツなど、今まであまり身近じゃなかった情報が、自然と入ってくるのが影響してるのではないかと読んでいます。こういうこだわりは、女性よりも男性のほうが沼りそうですよね。

カジュアルスーツが多い中、ピリッと体にフィットしたスーツを着用していると、それだけで仕事ができそうな印象を受けます。あらためて”きちんとスーツ”の良さが見直されているのかもしれません。

紳士服業界1位と3位の状況は?

では、ほか紳士服メーカーの業績はどうかというと、紳士服業界一番手の青山商事(8239)は、21年3月期に大きな赤字を掘ったあと、V字回復中で、24年3月期は、売上194,500(百万円)、前年比+4.8%、営業利益11,400(百万円)、前年比+52.5%で着地予定です。

当社は、全店でオーダースーツを導入したことで、利益は伸びていますが、売上は期間中に下方修正をしています。5月7日に発表された月次売上は、既存店で売上前年比96.4%と前年割れで、やや苦戦しているように見えます。

業界3位のコナカ(7494)は、2020年9月期から4期連続営業利益は赤字で、今期2024年9月にやっと黒字転換予想です。都市型店舗の「スーツセレクト」は若者を中心に堅調で、こちらもオーダースーツが伸びているとのこと。

つまり、ビジネススーツ業界は、どん底からは浮上しつつあるものの、業界全体を大きく持ち上げるほどの神風は吹いておらず、業績の改善具合は”企業による”といえます。AOKIが頭一つ抜きでているのは、ファッション事業部のほか、会員制シェアリングスペース「快活クラブ」を含むエンターテイメント事業が、非常に堅調で、利益をサポートしてくれているからです。

画像:TradingViewより

23年1月からの3社の株価を比べると、赤字が続いていたコナカがいちばん出遅れており、AOKIホールディングスと青山商事は競り合っています。両者とも、5月10日に本決算発表を予定しており、新年度予想を強気で出せたほうが上昇の角度を高めるのではないでしょうか。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。