はじめに

住宅ローン借入諸費用に違いはないか

単独借入と収入合算の場合にかかる諸費用に対し、ペアローンの場合は住宅ローン契約が2本になることで諸費用は2倍になると思われるかもしれません。しかし、単純に2倍になるわけではありません。

住宅ローンを組む際の諸費用にはいくつか種類があります。ペアローンにすることで確実に費用が2倍になるのは、印紙税・抵当権設定費用などです。ただし、増額は数万円程度にとどまります。注意したいのは、金融機関によってかかる諸費用に違いがある点です。

金融機関のサイト上では、住宅ローン借入のシミュレーションを行うことができます。住宅ローンの組み方を変えてシミュレーションができる金融機関もあるので、実際にかかる諸費用の違いを確認しておきましょう。

ペアローンは収入合算に比べて諸費用は増えますが、ローンが2本になることによるメリットもあります。ペアローンは同条件での借入が必須ではありません。一方は変動金利、もう一方は固定金利を選択する、金利の変動状況や余裕資金を考慮して片方の住宅ローンの繰り上げ返済を行うなど、今後の金利上昇リスクに備えて柔軟性を持たせることが可能です。

ペアローンを選択する場合は万が一の備えが必要

住宅ローンを組む際には、債務者に万が一のことがあった場合に備えるため、団信への加入が必須です。単独借入、収入合算の場合、団信に加入するのは主債務者です。主債務者である夫に万が一のことがあった場合、住宅ローン残高はゼロになります。

一方、ペアローンは夫・妻それぞれが団信に加入します。夫に万が一のことがあった場合は夫のローン残高はゼロになりますが、妻のローン残高は残ります。配偶者に万が一のことがあった場合、収入減や生活の変化により、もう一方の仕事や収入にも影響を及ぼしかねません。相手に万が一のことがあっても返済に困らない金額で借入を行うか、万が一のことがあった場合への備えが必要です。

対策の一つとして、生命保険で相手の住宅ローン残高に合わせた死亡保障をお互い持ち合うことで備える方法があります。たとえば、夫に万が一のことがあった場合、夫のローンは団信で完済となります。また、夫にかけていた生命保険から、妻のローン残高に相当する保険金を受け取ることができれば、その後の住宅ローン返済の負担をカバーすることができます。

ペアローンを選択する場合は加入必須な団信だけでなく、生命保険などで万が一に備えるための費用が必要となることも踏まえておきましょう。

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