はじめに
収入合算、ペアローンは離婚のリスクも視野に
収入合算、ペアローンを選択する上での注意点もあります。住宅ローンを返済中に離婚することになってしまった場合のリスクです。住宅ローンが残っている家について、所有権、居住者、ローン返済や売却についての話し合いが必要となります。
たとえば、離婚後は片方が単独で所有をするためには住宅ローンの借り換えが必要になります。ただし、元々片方の収入だけでは借入が難しいために夫婦の収入を合算していた場合、スムーズな借り換えは難しいかもしれません。大きなトラブルになりかねないリスクがあることは理解しておきましょう。
また、単独借入に比べて収入合算、ペアローンともに借入可能額が増えるため、希望の借入額を優先しがちです。どちらかが仕事を辞めたり、転職や休職をしたりすることで収入が減少したとしても返済に困らないよう、無理のない借入額かどうかを慎重に判断しましょう。
住宅ローンの借入を検討する際には、まずは借入可能かどうか、仮審査を受けます。仮審査を受ける金融機関は、都市銀行・地方銀行・ネット銀行など異なるチャネルで、複数行の審査を受けることをお勧めします。
単独借入、収入合算、ペアローンの仮審査を同時に受けることはできません。いずれか一つを選択して審査を受け、結果を見て他のパターンも検討したい場合は再度仮審査を受ける、という手順になります。
希望の住宅購入を叶えるために、住宅ローンの組み方による返済額や諸費用などの負担額の違いを理解し、納得のいく選択をしましょう。
ご覧いただいて分かるように、共働きの住宅ローン選びは意外と選択肢が多いです。物件選びをしてから住宅ローンの比較検討だと時間が足りないケースが多く見受けられます。住宅購入をお考えの方は今日のコラムを参考に、シミュレーションをしてみるなど、早めの準備を心掛けてくださいね。
【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)