はじめに
今週、2024年7月4日は歴史的な日となりました。TOPIXが34年半ぶりに過去最高値を更新したのです。日経平均も終値ベースの過去最高値を上回りました。この背景には、日本経済の回復や企業の業績改善、グローバル経済の安定などが影響しています。
今回は、TOPIXへの投資のメリットと、TOPIXに大きな影響を与える“バリュー株”の投資戦略を紹介します。
そもそもTOPIXって?
TOPIX(Tokyo Stock Price Index、東証株価指数)は、東京証券取引所(東証)に上場している全ての普通株式を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。1968年7月1日を基準日とし、その日の時価総額を100として算出されています。TOPIXは日本の株式市場全体の動向を反映する重要な指標であり、幅広い投資家に利用されています。
時価総額加重平均型で企業の時価総額に基づいて計算されるため、大企業の影響が大きくなります。また、東証一部に上場する全ての普通株式が対象となっているため幅広い範囲をカバーしている指数といえます。
このことから、TOPIXに投資をすることは日本の多くの大型株に投資することとなり、リスクを分散できると考えられます。特定のセクターや企業に依存せず、市場全体の動向を投資パフォーマンスに反映することができるでしょう。
TOPIXの寄与度トップはトヨタ自動車です。ほかに、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクや商社株などの寄与度が高くなっています。
TOPIXとバリュー株投資
TOPIXは、「バリュー株(割安株)」に影響を受けやすい指数であると言われています。そんな中、昨年度に引き続き2024年度も投資家は「バリュー株」や大型株を選好する傾向が続いています。とくに大型のバリュー株に対する海外投資家の関心が高いようです。
TOPIXのなかでも「バリュー株」と言われるものは、企業の本質的価値(ファンダメンタルズ)に対して割安であると評価される株式を指します。つまり、市場で取引されている価格が、その企業の本来の価値(実際の価値)よりも低いと判断される株式です。簡単に言うと「割安な株」のことです。割安かを判断するには、以下の指標が基準になります。
◆PER(株価収益率: 低いほど割安と評価される)
◆PBR(株価純資産倍率 : 低いほど割安と評価される)
◆ROE(自己資本利益率: 高いほど効率的なビジネスができていると言え、収益性が高い)
バリュー株投資は、割安な株式を探し出して購入し、その価値が市場に認識されるまで保有することでリターンを狙う投資手法です。
バリュー株が注目される理由は、市場が一時的に過小評価している企業の株式を購入することで、高いリターンを期待できること、景気動向に業績が左右されにくい(ディフェンシブな)銘柄が多いこと、高配当の傾向があり、安定したインカムゲインを享受できる可能性があることなどがあげられます。