はじめに

日銀が6月27日、2024年1〜3月期の資金循環統計(速報)を発表しました。この資料から分かることは企業、家計、政府といった主体ごとに金融資産・負債残高の増減を整理した統計です。それぞれ各主体の間でのお金の流れや、資金繰りの状況が把握できます。この資料は日銀から3カ月ごとに発表されます。


前年同期比で7.1%増

今年3月末時点の家計の金融資産は前年同期比で7.1%増え、2,199兆円となりました。日経新聞は、21年3月末(8.2%増)以来の高い伸び率となり、金融資産残高は5四半期連続で過去最高を更新、株高で株式や投資信託の含み益が膨らみ、金融資産残高を押し上げたと報じました。

今年の日経平均株価は、3月4日に初の4万円台となる4万109円を終値でつけ、3月22日には4万1,087円の高値に達しました。その後、半導体関連やグロース市場の下落で4月19日に3万7,068円まで下落しましたが先週7月2日、約3カ月ぶりに4万円代を回復しました。7月5日には高値4万1,100円をつけ、この期間で約4,000円の上昇となりました。またTOPIXも89年12月に記録した最高値2,884ポイントを抜き、こちらも最高値更新、5日には2,906ポイントをつけました。

投信・株式残高は3割増

資料を見ていて気になったのは家計(家族や個人)の現預金が5割台をキープしつつ、投信の保有残高が前年同期比31.5%増の119兆円、株式等の保有残高は33.7%増の313兆円となっていることです。

今年から始まった新NISAの影響が顕著に表れていて、下半期が始まった途端、日経平均株価が4万円代に乗せたと話題になれば更にNISA口座開設の件数がアップする気配がします。資料では現預金が50.9%、保険・年金・定型保証が24.6%、株式等は14.2%、投信は5.4%となっていて今後、現預金、保険・年金・定型保証の割合がどのように変化していくのかが気になるところです。

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