はじめに

短期での運用は為替リスクを取らない国内債券も選択肢に

数年間の運用であれば、満期が短い債券が選択肢として挙げられます。債券は満期まで持っていれば元本が返ってくるので、予め投資期間が決まっている点でも海外移住前の運用先に適しているでしょう。

ただし、債券の中でも外貨建債券(いわゆる外債)については注意が必要です。運用資金が円ではなくドルやユーロなどの外国の通貨になるので、金利がよくても満期時の為替が予想しにくいからです。為替が円安になると、場合によっては損失が出てしまう可能性もあります。債券で運用する場合、短期資金はできるだけ為替リスクを取らない、日本円での投資が安心です。

移住先の通貨で運用すれば為替リスクを抑えられるように思われるかもしれませんが、日本の証券口座で運用していた債券は、ほとんどの場合、一度日本円に戻す必要性があります。手続きの煩雑さを考え、移住先の通貨を増やすことが目的であれば、前述した外貨預金で増やすことを検討しましょう。

満期が決まっていて債券よりも金利の良い貸付型クラファンもおすすめ

貸付型クラファンは、クラファン業者を通じて投資家が直接企業に融資ができる仕組みのことを指します。満期までもっていれば元本が返ってくるなどの仕組みは債券と似ていますが、厳密には細かい仕組みやリスク、税制などが異なります。貸付型クラファンは比較的短期のものが多く、半年から3年満期で、債券よりも比較的良い金利のものがあります。

貸付型クラファンについての記事を参考に、留学前の資産運用の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
(参考:新しい投資のカタチ【貸付型クラファン】3つのメリット・デメリット

NISAでの運用には注意が必要

NISAでは投資信託および株式での運用ができますが、運用期間が今回のご相談者様のように短い場合には注意が必要です。値動きがある商品でも投資の三原則「長期・分散・積立」を守ることで、価格変動リスクを減らして運用することができます。しかし今回のご相談者様のように、5年程で売却をする前提であれば、投資期間を十分にとることができず、その分価格変動のリスクを抑えることが難しくなってしまう可能性があるからです。

留学には、向こうでの学費だけではなく渡航費や生活費、ビザ申請料、留学保険など様々な支出が控えています。大切な資金をなるべく減らさないように、期間が決まっておらず、値動きが激しい商品での運用は避けたほうが無難でしょう。

また、すでにNISAで運用をしている方も相場によって大きく値段が変わる場合があります。直前に慌てて売却をすることがないように、余裕を持った売却スケジュールをたてましょう。

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