はじめに

ミスドを運営するダスキンの決算は?

ミスドを運営するのは、清掃用具のレンタルでお馴染みのダスキン(4665)です。創業者が、水を使わずホコリを取る「ダストコントロール」のノウハウを海外で学び、日本に取り入れました。主力の化学ぞうきん「ホームダスキン」は、みんなで繰り返し使う「レンタルシステム」を採用し、当時から環境への配慮を行なっています。その後、アメリカに渡った創業者が、現地の手づくりドーナツのおいしさに感動し、1971年に大阪箕面市に「ミスタードーナツ」1号店をオープン。

ダスキンもミスタードーナツも、いち早く全国に広げるため、当時では画期的だったフランチャイズで展開しました。フランチャイズ方式を採用した理由には、地域の活性化を促すという意図もあるようです。

売上比率は、ダスキンを展開する訪販グループ60%、ミスドを展開するフードグループ33%ですが、営業利益の比率で言えば、フードグループが60%と逆転します。2020年3月期以降、訪販グループの売上は足踏み状態ですが、フードグループの売上は連続で拡大しているため、トータルでは営業利益率の改善が見られます。

今期25年3月期は、売上189,000(百万円)、前年比+5.7%、営業利益14,100(百万円)、前年比+79.3%と大幅増益予想です。順調に進捗しているかどうか、8月6日に発表された第1四半期決算を確認してみましょう。

画像:ダスキン「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

①売上高45,216(百万円)②前年同期比+3.6%、③営業利益1,869(百万円)、④前年同期比△7.5%といまいち冴えない数字です。上期の営業利益予想は5,400(百万円)なので、進捗率は34.6%と心もとない感じがします。決算短信によれば、減益の主な理由は人件費の増加が挙げられています。

フードグループのみをピックアップすれば、売上高は15,017(百万円)、前年比+11.8%と好調ですが、営業利益は人件費や宣伝広告費など費用の増加により1,699(百万円)、前年比△4.5%と少し残念な数字です。ちょうど2023年の6~8月に販売され大好評だった「白いポン・デ・リング」の反動減も影響しているようです。それにしてもスタートダッシュが芳しくないため、上期・通期の予想が達成できるか不安になります。

画像:TradingViewより

当社は、ミスドの店舗数回復に伴って、株価も穏やかに上昇トレンドを描いています。第1四半期決算のイマイチな結果がどの程度株価に影響があるか気になるところ。ただし、ここでしばらく調整して、次の第2四半期で予想値を超える着地となれば、ポジティブサプライズとなり、ふたたび株価に精気が宿ることも考えられます。ここ最近の円高は、内需企業の当社にとっては追い風ですので、気長に次回決算を待ちたいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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