はじめに

暴落時ほど「ルールどおりに」

では、このタイミングで、投資家はどうすればいいのでしょうか。

特に新NISAから投資を始めた方は初めての暴落の遭遇にメンタルがもたず、撤退してしまったと言う話も多く聞きます。

まず長期であればリスク分散の徹底や定期的なリバランス、投資戦略を定期的に見直すことが大切です(市場も自分も変化するため)。

また、暴落のときほどルール通りに動くことが大切です。ルールとは、自分の投資戦略のことです。以下の点について、スタンスを明確にしましょう。

・配当狙いor売買益狙い
・長期or短期
・どのくらいの利回りを狙うのか
・どのくらい現金を手元に残すか(キャッシュポジション)

長期なら買い時

新NISAでオルカンやS&P500などインデックス投資で長期的に積み立てているなら、長期で見ればインフレ、人口増などから緩やかに上昇していく可能性が高いとみてドルコスト平均法で投資をしているはずです。ドルコスト平均法は価格が変動する投資商品に対して一定期間ごとに一定金額分ずつ購入していく訳ですから、下落している際は、むしろ購入単価を下げるチャンスです。仮に下落が続いたとしても途中で手放したり損切りすべきではないといえます。

もし下落でパニックになるようであれば、ご自身が投資する商品に対しての理解や、ルールの把握などが甘い可能性があるので、調べ直したり、戦略を立て直す方がいいと思います。また積立額が合っていない可能性があるので投資金額を見直してみるのも良いと思います。

加えて暴落はバーゲンセールであるとも考えられます。

普段から欲しい銘柄や商品を物色しておく癖を付けておくと、焦らずに暴落のタイミングで安く購入でき、長期的に大きなリターンとなって返ってくる可能性はおおいにあるでしょう。

個人的には少しずつ目をつけていた銘柄、金やREITを購入しています。ただ、今後相場がどう動いていくのか、まだ読めない部分がありますので、あくまで時間も分散して焦らずに購入していくイメージです。

ポートフォリオの見直しタイミングととらえる

いずれにせよ、今回の暴落で焦ってしまった方は、戦略やポートフォリオの見直しの良いタイミングと捉えてみてはいかがでしょうか。

投資する目的への道のりを見える化し、投資戦略、ルールを明確化し、ポートフォリオ最適化のチャンスと捉えて理想のポートフォリオを考えてみるのも良いと思います。

何よりも暴落の際は落ち着いて行動することが1番です。慌てて売ることもそうですが、準備もせずに、安くなったから慌てて買い戻すのも危険です。今回の暴落がこれで終わったとは限りません。

日銀の内田眞一副総裁が7日午前の金融経済懇談会で、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べて、追加の利上げに慎重な姿勢を示した(植田総裁の発言の火消しになり安心感が出た)ことで円キャリートレードの急激な巻き戻しが一服するなど、外国為替市場でドル円は急反発しました。ですがそもそも上田総裁の日銀金融政策決定会合後の記者会見でのタカ派の発言で相場が大きく動いたことを考えても、要人の発言にかなり神経質になっているといえますし、今後もそのような発言がないとは言えません。加えて、来週日本市場はお盆休みとなり、流動性が低下するので、海外勢からそのタイミングを狙われて1段安となる可能性もあるかもしれません。

さらなる不安要素も

米市場では9月利下げは決定的となっており、0.5%の利下げとなる可能性も示唆されています。また次の雇用統計は失業率がさらに悪化するなどリセッションを示す経済指標が濃厚となれば米国でもさらなる株安の可能性もあります。

イスラム組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏が先月末にイランの首都テヘランで殺害されたと発表されるなど、地政学リスクも高まっています。

日本市場では相場は大きく動いているものの、下落に一服感が出て安心している人もいるかもしれませんし、大きな動きに麻痺してしまっている人もいるかもしれませんが、様々な可能性を考えて対処できるようにしておくことが大切だと考えます。
 
今回の暴落を教訓に、投資家としての知識を深め、次のチャンスに向けた準備をしっかりと行いましょう。リスクを恐れず、冷静かつ計画的な投資行動を続けることで、長期的な資産形成の道を切り開いていくことができるでしょう。

このような相場の動きが大きな際にしっかりと考えて対処していくことが、投資家としての大きな経験にもなっていくと考えます。最後までお読みくださりありがとうございました。この記事があなたの投資の参考に少しでもなっていれば幸いです。

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