はじめに
8月5日の株式市場は日経平均株価660円安で始まり、売りが売りを呼ぶ全面安の展開となりました。日経平均株価の下げ幅は一時4700円を超え、前週末比の終値からマイナス4451円、3万1458円で年初来安値を更新しました。
ブラックマンデーを超えた8月5日
1987年に起きた米国の「ブラックマンデー」翌日に記録したマイナス3836円を超え、史上最大の下げ幅となりました。下落率は歴代2番目、ストップ安銘柄は全市場で801銘柄と過去に例を見ない多さでした。
個人投資家に人気の三井住友フィナンシャルG(8361)やソフトバンクG(9984)、JT(2914)、伊藤忠(8001)、東電(9501)、商船三井(9104)、三越伊勢丹(3099)また半導体銘柄のディスコ(6146)、アドバンテスト(6857)、防衛関連のIHI(7013)川崎重工(7012)などがストップ安となりました。
日経平均株価採用の225銘柄全てが下落し、プライム市場の99%の銘柄が下落、また6割の銘柄が10%を超える暴落と報じられました。
証券取引所では取引を一時的に制限・中断する、サーキットブレーカーが日経平均先物、TOPIX先物で発動(上下8%を超えると発動)しました。TOPIXは9時16分、14時19分から、日経平均先物は13時26分、14時27分からそれぞれ10分間の売買停止措置が取られました。サーキットブレーカーが1日に2回以上発動されるのは稀な事です。
日経VIX(日経平均ボラティリティ・インデックス:恐怖指数)は14時53分に85.38になりリーマンショック時を彷彿とさせました。VIXとは投資家が日経平均株価の将来の変動をどのように想定しているかを表した指数です。指数値が高いほど、今後相場が大きく変動すると見込んでいることを意味しています。
7月11日の日経平均株価最高値から約25%の下落となり、わずか16営業日を経た時点での予想できない暴落でした。プライム市場の値下がり銘柄数は1625銘柄(総合数1644銘柄)で売買代金は7兆9675億円だったと報じられています。
翌6日は過去最大の上げ幅に
翌6日は日経平均株価は619円高で始まり、上げ幅はプラス3217円(10.2%)で過去最大となりました。一時は東証プライム銘柄の98%以上が値上がりしたとされています。上限によるサーキットブレーカーが初めて発動され、日経平均先物が8時45分、8時56分、TOPIX先物が9時56分、グロース250先物が8時47分、9時6分からそれぞれ10分間の売買停止措置が取られました。円相場では対ドルで円高方向に戻し一時146円台に達しました。日経VIXは51.19で依然として高水準をキープし、プライム市場の値上がり銘柄数は1575銘柄、売買代金は7兆7500億円でした。
翌7日、日経平均株価は553円安で始まり、その後プラス浮上しました。日経平均株価は3万5089円で終了、プラス414円で引けました。売買代金は7兆3745億円で3日連続の7兆円超えでした。日経VIXは45.02で前日よりは低下してきたものの予断を許さぬ状況です。